松本市と市防災連合会は16日、地震対策を考える「市民防災セミナー」を同市Mウイングで開いた。信州大の研究者らでつくる信大震動調査グループが、市との共同調査で新たに存在を推定した三つの大規模断層について報告した。 同グループが推定した断層は、牛伏寺断層や2011年6月30日に最大震度5強を松本市で観測した地震の原因とされる活断層より大規模。信大理学部(松本市)の原山智教授(地質学)は、講演で「この地域にはメーンの主断層があり、地表近くで枝分かれしている状況が分かった」と説明。「牛伏寺断層は、主断層から枝分かれした副断層との推測が確かめられた」と話した。 グループ代表の小坂共栄・信大特任教授(構造地質学)は、調査結果を基にまとめた市内の「揺れやすさマップ」を報告。松本駅周辺や南松本駅の東側などは「他の地域より軟弱な地層が厚い」とし、「地震の波は軟らかい地盤を通ると増幅されるため、注意が必要だ」と述べた。 セミナーは防災への関心を高める狙いで毎年開いており、この日は約180人が参加した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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