東日本大震災で被災した福島県の現状を伝える催し「福島つながるチャリティフェス2014」が22日、下伊那郡阿智村中央公民館で開かれた。福島県南相馬市などの福祉作業所でつくる団体「南相馬ファクトリー」代表の佐藤定広さん(51)の講演や、飯田下伊那地方の演奏家、踊り手らによるライブイベントを通じ、大勢の参加者が被災地とのつながりを感じた。 佐藤さんは、震災と東京電力福島第1原発事故後に作業所の仕事が減る中、南相馬ファクトリーを設立した。講演では、収入確保に向け、六つの作業所が共同で缶バッジを製作するようになったことを紹介した。福島とのつながりを題材にデザインされた缶バッジで、今は福島を応援する道具として「全国の人に渡っている」と語った。被災地での生活は「知らず知らずにストレスもある」と言う一方で、「福島が好きなので、これからもずっと暮らしていく」と思いを語った。 東北地方の踊りや太鼓を学んだ経験のある女性や、村内のジャズ奏者、コーラス団体などが発表するライブもあり、来場者も一緒に踊るなどして盛り上がった。 フェスは、阿智村民を中心につくる「福島に学びつながる会」の会員たちによる実行委員会が開いた。同会は8月に福島県内の子どもを村内に招くキャンプを計画している。会場でキャンプ開催への寄付を呼び掛けたところ約8万5千円が集まった。会事務局長の金子智行さん(38)は「多くの人が来てくれて、福島への思いの強さが表れたと思う。キャンプに向けていいスタートになった」と感謝した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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