小諸市は4月から、徘徊(はいかい)などの症状がある認知症高齢者らの靴のかかとに貼る反射材のステッカーを導入する。当事者や家族の申請に基づきステッカーを無料で配布。街でステッカーを付けた人を見掛けた際には、引き留めたり声を掛けたりしてもらう。 ステッカーは赤と黄色の2種で、市セーフコミュニティ推進協議会のシンボルマークが入る。黄色は「声掛け」の対象。付けた人を見掛けた場合、「どこへ行くのですか」などと話し掛け、道案内することなどを市民に求める。赤色は1人で出歩かないことが前提の「保護」の対象で、見掛けたらすぐに引き留め、市役所の高齢福祉課に連絡するよう求める。 同課によると、2009年度~本年度、市内の高齢者が外出したまま行方不明になった事例は年2~11件で、昨年度と本年度はそれぞれ1人が亡くなって発見された。 昨年、市内の医師から対策として「当事者が服にバッジを着けて目印にしてはどうか」とのアイデアを聞いた市職員が、市地域包括支援センター職員の「靴のシールだと常に付けていられる」との助言も参考に、ステッカーを考えた。 市高齢福祉課の担当者は「黄色のステッカーを付けた人に声を掛けて、何も困っている様子がなければそのまま出歩いてもらえばいい」と説明。「ステッカーが市民に浸透することで、認知症の高齢者でも安心し、堂々と出歩けるまちになってほしい」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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