長い胴体を持った獅子が激しく動き、ぶつかることから「暴れ獅子」とも呼ばれる下伊那郡喬木村阿島の「阿島獅子」による舞が6日、室町時代から伝わる阿島祭りの一環として、同村阿島の安養寺境内などで披露された。 阿島獅子の全長は約20メートル。胴体を覆うほろの中には竹で組まれた籠があり、その中で笛や太鼓を演奏。阿島在住や出身の18歳~30歳の男性約30人が籠を担ぎ、安養寺を目指して地区を練り歩いた。 安養寺に到着後は、笛や太鼓などを演奏する4台の囃子(はやし)屋台などの前で舞を奉納。その後、地区の無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)を願って境内を走り回り、屋台にぶつかった。 舞を見た地元の山越幸雄さん(64)は「獅子舞の出来が素晴らしかった。伝統が受け継がれていると感じた」。獅子頭を担当した近くの会社員佐々木健太さん(23)は「祭りを通じて、地域の人々の交流が深まった。観客を楽しませることができ、最高だった」と満足していた。 安養寺境内では地区内の小学生16人とその保護者らによる「阿島子ども獅子」も舞を披露。阿島獅子の継承会の宮沢富男会長(63)は「獅子の動きが上達していた。将来が楽しみだ」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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