信濃毎日新聞社が今春スタートした女性向け会員制文化講座「信毎きらめき倶楽部」の初回となる女優岩下志麻さんのトークショーが7日、松本市のホテルブエナビスタで開かれた。岩下さんは「映画の黄金時代に、そうそうたる映画監督に育てていただいた。一つ一つの作品が財産」と女優人生を振り返り、約500人を前に「好奇心を失わずに過ごして」と呼び掛けた。
56年間に出演した約120作品の中から逸話や失敗談を紹介。小津安二郎監督「秋刀魚の味」(1962年)の撮影で、監督から「人間は悲しい時に悲しい顔をするもんじゃない。人間の感情はそんなに単純じゃない」と教えられたといい、「演技の原点になっている」と語った。
映画監督で夫の篠田正浩さんとの家庭生活や若々しさを保つ秘けつなども披露。睡眠、太極拳、野菜と魚が中心の食事などを挙げつつ「気持ちがふさぎ込んでいると何をしても効果がない。前向きな気持ちをいつも忘れないで」と話した。
最前列で聴いていた諏訪郡富士見町の主婦上間典子さん(55)は「前向きに生きることが大切だという岩下さんのアドバイスが心に残った。これから心掛けたい」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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岩下志麻さん、女優人生語る 「信毎きらめき倶楽部」スタート
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