営農しながら太陽光発電をする「ソーラーシェアリング」により、上伊那郡南箕輪村の牧草地で神奈川県の事業者が計画しているメガソーラーについて、村農業委員会(16人)は7日、太陽光パネル設置のための農地一時転用を全会一致で不許可とした。営農の継続性、牧草の品質や収量の保持などがあいまいだと判断した。
この日は地権者3人に出席を求め、営農計画や事業者との賃貸借契約などを質問。営農の実現性や収支計画なども聞いた。地権者側は、パネルの下で牧草を栽培しながらヤギを放牧し、チーズの製造販売などをするとしたが、委員からは「計画が不明瞭」「パネル設置ありきで、営農は後付けではないのか」といった意見が出た。
事業者は「サンライズ」(神奈川県秦野市)で、傍聴した関野一雄相談役は取材に「事業者の説明も聞いて判断してほしかった」とし、計画を見直して再申請する方針を示した。村農業委の宮下勝美会長は「本当に農業を守れる計画か否かという点で審議した。(再申請する場合は)営農に主眼を置いてほしい」とした。
牧草地は、村の観光拠点の大芝高原に近い広域農道沿い。パネルの支柱を立てる場所に、農地一時転用の許可が必要になる。サンライズなどによると、第1期計画として、1万9231平方メートルに最大出力1・4メガワットに当たるパネル5492枚を設置。最終的には範囲を広げ、2・4メガワットの発電を目指すとしている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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南箕輪のソーラーシェア計画 村農業委が全会一致で不許可
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