長野市内の小学校で男性教諭が複数の女子児童にわいせつ行為をした問題で、県教委は9日、この男性教諭(52)を懲戒免職処分にすると決めた。さらに、北信地方の高校の男性教諭(58)が女子生徒の腰や太ももを触ったとして、この教諭も懲戒免職処分とした。県内では3月以降、児童生徒へのわいせつ行為が表面化した公立学校の教員(うち1人は退職)が、計7人に上る異常事態となっている。 県教委は、教諭2人の氏名や学校名などについて「被害者側の強い要望」として明らかにしていない。警察への届け出も被害者側の要望で行われていないと説明している。 県教委によると、小学校の男性教諭は昨年7月からことし6月まで、教務室や体育館脇の器具室など人けがない場所で、女子児童6人の唇や頬にキスをしたり自分の頬にキスをさせたりした他、女子児童の体を触った。多い時には同様の行為を週1、2回繰り返し、「二人だけの秘密だよ」などと口止めしたケースもあったとしている。 同僚が6月中旬、児童や男性教諭の様子を不審に感じ、校長に報告。6月下旬に校長が県教委に報告した。男性教諭は事実を認め「子どもたちに心の傷を与えてしまった。申し訳ない」と話しているという。事件発覚後、教諭は欠勤していた。 一方、高校の男性教諭は5月の放課後に複数回、担当する教科の個別指導をする中で女子生徒1人の腰から太ももを触った。生徒が6月下旬に保護者に相談して発覚。学校側は7月中旬に県教委に報告した。男性教諭は事実を認め「生徒を励ますつもりで無意識に触った」と話しているという。 この男性教諭は2008年、県内の学校外の温水プールにいた小学生の女子児童の腰から背中を触ったとして、県迷惑防止条例違反の罪で罰金30万円の略式命令を受け、減給3カ月(10分の1)の懲戒処分も受けていた。さらに現在の前任の高校でも女子生徒1人の体を触ったとして学校側が調査したが、「事実関係を確認できなかった」(県教委)という。 また、県教委はこの日、東信地方の中学校男性講師(28)について、男子生徒を床に投げ落として右足のかかとに打撲を負わせる体罰があったとして減給3カ月(10分の2)の懲戒処分とした。(長野県、信濃毎日新聞社)
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