児童にわいせつ行為をした小学校の男性教諭の懲戒処分が決まり、さらに高校の男性の教諭もわいせつ行為で懲戒免職に―。県内では7日に北安曇郡池田町池田小学校の男性教諭が、盗撮目的でプールの女子更衣室に侵入し、設置したビデオカメラで隠し撮りしたとして建造物侵入などの疑いで逮捕されたばかり。止まらない不祥事に、9日の県教委定例会では委員から厳しい指摘が相次いだ。 「教員として言語道断な行為であり、非常な憤りを感じる。関係する児童や保護者、不信を招いた市民に本当に申し訳ない」。長野市内の小学校男性教諭の懲戒免職を受け、同市の堀内征治教育長は取材にこう話した。問題発覚後は、スクールカウンセラー1人を被害児童に付けるなどの対応をしてきたという。 男性教諭の勤務する小学校の校長は同日、発覚後初めて県警に事情を説明。市教委によると、市は弁護士に相談し、男性教諭のわいせつ行為が、起訴に告訴が必要な「親告罪」の強制わいせつ罪に当たると判断。女子児童たちの保護者に説明したが、保護者たちは「子どもを守るため特定されたくない」と警察には相談していなかったという。 一方の県教委。山口利幸教育長は会見で「被害に遭った生徒と保護者、教育に信頼を寄せている県民の皆さんに申し訳ない。こうした事態が起きない仕組みをつくるという覚悟が必要だ」。矢崎和広教育委員長も「このような異常な事態が続く限り教育の信頼回復はできない」と危機感をあらわにした。 会見に先立って開いた定例会でも、厳しい声が続いた。生田千鶴子委員は「子どもたちの間に学校や教育に対する不信感が広まっている。これだけ不祥事が起きるなんて教員のプロ意識が低い」と批判。耳塚寛明委員は「早急に事実を分析し、信頼回復に努めるべきだ」と注文した。 県教委が不祥事再発防止に向けて設けた「教員の資質向上・教育制度あり方検討会議」が、10日に初会合を控える中で、今週に入って立て続けに表面化した現職教員の不祥事。定例会で野村稔委員は「もはや学校や教員で解決できる問題ではない」と、「解体的出直し」を求めた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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