諏訪市の旧東洋バルヴ諏訪工場跡地で開いた工業展「諏訪圏工業メッセ」の特設ブースで17日、若手技術者による高級腕時計の組み立て実演があった。10月に地元で初開催となった技能五輪全国大会の「時計修理」で金賞、銀賞を獲得したセイコーエプソン(諏訪市)の社員2人が、繊細な職人技を披露した。 午前に銀賞の中野祐希さん(20)=松本市原、午後に金賞の西中卓也さん(22)=安曇野市堀金三田=が登場。エプソンが開発した独自機構の高級腕時計を使い、小さな部品を専用工具で組み込んで外装を仕上げるまでを実演した。手元をビデオカメラで撮影して近くの大画面に拡大し、同社の社員が解説。来場者が興味深そうに作業を見守った。 間近で見学した諏訪市城北小学校5年の土田綾さん(10)は「細かい部品を取り付けていてすごい」。実演を終えた中野さんは「大勢の人の前で、技能五輪の時より緊張した。子どももお年寄りも来てくれたので、時計に少しでも興味を持ってもらえたらうれしい」と話した。 会場隣の諏訪市文化センターでは、ものづくりが体験できる催しもあり、家族連れが時計作りなどを楽しんだ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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