伊那市の市立伊那図書館で17日、本棚(本立て)に本を並べて売る「一棚(ひとたな)古本市」が、2日間の日程で始まった。東日本大震災被災地を支援している古本販売会社も含め、11人が出店。本を通じて幅広い世代が交流した。 旧上伊那図書館で昭和初期から使われてきた幅85センチ、奥行き23センチの本棚を使って本を売る催しで、2年前から開催。出店者は1階ロビーに販売場所を構え、本棚の外にも小説や雑誌、漫画などを並べ、来場者との交流を楽しんだ。 震災で被災した岩手県陸前高田市の図書館再建を支援する古本販売会社「バリューブックス」(東京)は1500冊を持ち込んだ。上田市の倉庫を拠点にネット販売をしており、会場では、古本の買い取り相当額を寄付するプロジェクトを写真で紹介した。同社の小平卓也さん(30)=東御市=は「支援の取り組みを多くの人に紹介できた」と話していた。 同図書館で開く宮沢賢治作品の朗読会に参加している小田部(おたべ)耕二さん(52)=伊那市西春近=は、紙芝居を上演。「こういう機会を盛り上げたい」と話した。同図書館で不用になった本を、地域通貨「LIBRA(りぶら)」と引き換えに配る会もあった。(長野県、信濃毎日新聞社)
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