遠山郷と呼ばれる飯田市上村、南信濃両地区で木材運搬などに使われた遠山森林鉄道の復元に取り組む「夢をつなごう遠山森林鉄道の会」は17日、同市南信濃木沢の多目的施設「梨元ていしゃば」に復元したレールに機関車を走らせた。県内外から会員ら約50人が集まり、約40年ぶりに走る機関車を見守った。 昨年1月に結成された同会の活動報告会に合わせて試運転をした。レールの長さは約100メートル。ディーゼル機関車に乗り込んだ副会長の松下勇さん(60)=飯田市南信濃=がエンジンをかけてアクセルを踏み込むと、機関車はゆっくりと前進。見守った会員らから拍手が起こった。 営林署員として鉄道の保線に携わった白沢秋人さん(83)=同=は「もう一度動くのを見るのが夢だった。みんなで協力したからできた」と感慨深げに話した。 約400メートルを目標にさらにレールを延ばす予定だ。会長の前沢憲道さん(64)=同=は「鉄道ファンが集まる地域の新たな観光スポットにしたい」と話していた。 遠山森林鉄道の延長は30・5キロあった。国有林の木材搬出などで活躍し、1973(昭和48)年に廃線となった。(長野県、信濃毎日新聞社)
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