上田市は19日、火災で9月に北校舎など5棟を全焼した同市浦野の浦里小学校に特別教室棟、トイレ棟、倉庫を建てる方針を明らかにした。現在は全校児童92人が焼失を免れた南校舎や体育館を使って授業を受けている。来年度当初に間に合わせたい考えで、母袋創一市長は「特別教室棟などができれば、子どもたちの学ぶ環境はある程度整う。必要があればさらに対応したい」と話した。 火災は9月5日深夜に発生。北校舎の他、旧管理棟(旧校舎)、トイレ棟、給食用倉庫、休養室を全焼した。市教委によると、特別教室棟は南校舎の東側で、旧管理棟などが全焼して更地になっている場所の一角に建てる予定。軽量鉄骨造り平屋とし、広さは170平方メートルほど。音楽の授業などに使う多目的教室、楽器などの備品を保管する教具室の2部屋を設け、渡り廊下で南校舎とつなげる。 現在は備品を南校舎1階の旧音楽室に置いている。備品は特別教室棟の教具室へ移し、旧音楽室は保健室として利用する。北校舎にあったパソコン室は、南校舎2階の廊下の一部を仕切って設ける。これらの事業費は5660万円。本年度一般会計補正予算案に盛り、市議会12月定例会に提出する方針だ。 母袋市長、小山寿一教育長らが19日、市の12月補正予算案を発表する記者会見で概要を示した。長年議論が続いている浦里小と川西小(上田市仁古田(にこだ))との統合問題については、小山教育長が「火災とは切り離して考えている。(火災から間もないため)今は冷静に議論することは難しい」と述べた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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