12月4日公示の衆院選で、民主党の羽田雄一郎国土交通相(45)=参院県区=は20日、参院議員会館で記者会見し、引退した父の羽田孜元首相(77)の後継として長野3区から出馬することを断念すると正式に表明した。党の「脱世襲」方針の徹底で、党公認が得られないだけでなく、無所属で出馬し当選しても「復党は難しい」と説明した。 来夏の参院選県区に4選を目指し、出馬する意向だ。 羽田国交相は会見で、自身の無所属出馬により党が「『脱世襲』は形だけだ」との批判を受ける懸念を示し、「党本部はもちろん、全国で大変厳しい選挙環境で戦っている同志に大きな迷惑をかけるわけにはいかない」とした。「参院の1議席の大切さも重々承知している」と述べ、参院第1会派の維持を重視したことも明らかにした。 今回の衆院選出馬が「世襲」に当たるかどうかは、「参院3期、国土交通相として国政に携わっており、同志や後援会から普通の世襲と違い、(参院から衆院への)『くら替え』ではないかと言われ、自分としてもそう思った」との認識を示した。だが、「今回はくら替えも含めて世襲禁止を貫くという党の方針が出たので従った」とした。 次回以降の衆院選への対応については「参院議員としての職責を全うする」と述べるにとどめた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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