県ゆかりの若手芸術家と長野市のホクト文化ホール(県民文化会館)が、下水内郡栄村に伝わる民話を基に「新野々海(ののみ)の物語」という紙芝居を作った。22日に村文化会館で音楽演奏と共に上演する。芸術家らの呼び掛けで、6日は同村の栄小学校の全児童が、上演当日に使う絵馬や大蛇のうろこを作った。 同ホールは、昨年の県北部地震で被災した栄村の復興を応援しようと、被災地支援活動への補助を文化庁に申請して採択された。佐久市の版画家田嶋健さん(39)や村教育委員会などと話し合い、新潟県境にある同村の野々海池が舞台の民話を上演することにした。 しかし、物語は野々海池にすむ大蛇が越後(新潟県)の池の大蛇と戦って負け、娘を連れて行かれる筋書き。「これでは悲しい」と、50年前に同池が農業用のため池になったのを踏まえ、野々海池の大蛇と娘が池に戻ってくる場面を付け足して、「新野々海の物語」と命名した。 田嶋さんが紙芝居の絵を作り、下高井郡山ノ内町出身の国立音大大学院生、山本哲也さん(23)が物語に合う音楽を作曲した。 紙芝居はスクリーンに投影して上演する。児童が作った絵馬は、大蛇の復活を願う意味があるといい、物語のクライマックスで投影する予定。指導した田嶋さんは「みんなもりもりと描いてくれたので、大蛇は復活しそうだ」と話していた。 22日は午後午後2時開演。クラシック音楽の演奏もある。入場無料。問い合わせはホクト文化ホール(電話026・226・0008)へ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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