茅野市観光協会は6日、東京・青山のレストランを会場に、市内の農畜産物をフランス料理のフルコースで提供する催し「蓼科 冬カフェ」を初めて開いた。茅野を食の面からPRするとともに、生産者にも作った食材がどのように食べられているかを知ってもらう狙い。生産者10人余が会場を訪れ、来店者に食材の特長を紹介したり、食べた感想を直接聞いたりした。 料理は、晩秋から初冬にかけて収穫した野菜や、今が旬のジビエ(野生鳥獣肉)を使った8品。市内のフランス料理店シェフ藤木徳彦さん(41)が、10月から生産者を訪ねて20種類の食材を選んだ。メーン料理は、シカ肉のミンチを葉が縮れた「ちりめんキャベツ」で包んで蒸し、カリフラワーの一種ロマネスコや山ゴボウを添えた。前菜には、西洋野菜フェンネルの寒天寄せなどを用意。デザートは食用ホオズキが入ったレアチーズケーキだった。 催しの前半はマスコミの取材向けで、雑誌やテレビなど約20社の関係者が訪れて試食。首都圏を中心に発行するフリーペーパーの企画営業担当、竹本陽乃(きよの)さん(42)は「野菜のおいしさが印象に残った。折に触れて(紙面などで)紹介したい」と話した。後半の一般向けディナーには、同市蓼科高原に山荘を持つ元高知県知事の橋本大二郎さんら約50人が訪れ、舌鼓を打った。 山ゴボウ、聖護院(しょうごいん)大根、ニンジンを提供した同市湖東(こひがし)の小平久子さん(78)は「高冷地で育てると味も色も良い」と自慢の食材を紹介。「生で食べてもおいしいと好評で、うれしかった」と笑顔を見せていた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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