ミュージカルで社会を活気づけようと活動しているNPO法人「コモンビート」(東京)の会員らと下伊那郡阿智村の住民が8日、「幸せのつくりかた」をテーマにした舞台劇を村中央公民館で上演した。会員らは9月から村内に滞在しながら物語を練り上げる中で、自らの生き方も見つめ直したといい、村民との触れ合いから生まれた劇が集まった観客約400人を楽しませた。 関東や中京地方などの20~30代の会員など61人が出演。村民10人が裏方を務めた。劇は六つの物語で構成。会社を辞めて牛飼いになった若者に影響を受けた同僚が大学生時代の夢に挑戦する物語は、同村伍和(ごか)に住む男性が語った人生の目標からヒントを得たという。 出演した東京都中野区の鈴木雄一さん(33)は、村に滞在することで知った村民の優しさや助け合いの姿が印象的だったといい、「支え合いの大切さを再認識した。以前より他人を思いやれるようになった気がする」と話した。 中心になって取り組んだ会員の北原太志郎(だいしろう)さん(31)=下伊那郡松川町=は「自分たちの生き方への思いをぶつけ合えたのが良かった」と舞台づくりを振り返った。 鑑賞のため会場を訪れ、あいさつした阿部守一知事は「都会の若者と中山間地の住民が交流できることはいいこと。さらに連携が深まればいい」と語った。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧