南佐久郡小海町豊里の町高原美術館で8日、同町の洋画家栗林今朝男さん(88)の作品展が始まった。開館15周年記念企画の一環。栗林さんの作品は多くの賞を受け、同館の所蔵美術品約100点のうち40点を占める。初日に同館を訪れた栗林さんは約70人の来場者を前に、自身の芸術への思いなどを語った。 作品は馬をテーマにした油絵が中心。同館所蔵の16点と栗林さん所蔵の作品を合わせ40点を展示している。 栗林さんは第2次大戦中、軍隊で仏領インドシナ(現在のベトナム)にいた。捕虜収容所で、敵のフランス人捕虜が合奏や合唱をしていたのを見て、芸術には国境が無いと感じた。「その時の感動が芸術を志す原点」と話した。 若い時は教師をしていたが、貧しさから画材を手に入れられなかった苦労話も披露。「上手に描ければ良いわけでない。魂や感情を込めた作品を作ろうと常に考えてきた」と語った。 佐久市北川の自営業新海則武さん(64)は「感動した。栗林さんの人生が絵に出ていると思った」と話していた。 来年1月14日まで、午前9時~午後5時。火曜と12月29日~来年1月3日は休館。一般500円。小中学生150円。問い合わせは同美術館(電話0267・93・2133)へ。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧