衆院選県内激戦区で二大政党の党首級が「冬の陣」―。民主党の野田佳彦首相、自民党の麻生太郎元首相が選挙戦中唯一の日曜日の9日、そろって県内に入り、政権を懸けた舌戦を展開した。10日は自民の安倍晋三総裁、共産党の志位和夫委員長、11日には民主の前原誠司国家戦略担当相、みんなの党の渡辺喜美代表も県内入りを予定。いずれも16日の投開票に向け、激戦区の自党候補のてこ入れを図る。 県内では公示後、第三極勢力のうち、日本維新の会の橋下徹代表代行も8日に長野市で街頭演説。相次ぐ党首級幹部の登場は、県内5小選挙区を民主が独占した2009年前回選から一転、予断を許さない状況が続く今回の県内情勢を浮き彫りにしている。 政権維持を目指す野田首相は9日、長野2、3、4区へ。上田市の上田駅前では「今回の総選挙は、民主党が進めてきたさまざまな改革を前に進めることができるのか、時計の針を元に戻してしまうのかが問われる」と強調した。 政権を失った前回選当時の首相、麻生氏は2区でのミニ集会や街頭で演説。松本市の松本駅前では「争点ははっきりしている。3年3カ月の民主党政権の実績が問われている。それが良かったのか、悪かったのかだ」と訴えた。 安倍総裁、志位委員長はともに1~3区、前原氏は2区、渡辺代表は3区で応援に入る。12日には社民党の又市征治副党首も5区を中心に県内入りを予定する。いずれも「多党乱立」で接戦が予想される比例代表北陸信越ブロック(定数11)の票上積みも図る考えだ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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