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つり下げ式天井原則撤去 国交省方針 県内は6トンネル

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 中央道笹子トンネル(山梨県)上り線の天井板崩落事故を受け、国土交通省がつり下げ式天井板を全国の道路のトンネルから原則として撤去する方針を固めたことが10日、信濃毎日新聞の取材で分かった。今後、代替の換気策や工事時期などを詰める。同省は「利用者の安全確保に向けてリスクはできるだけ減らすべきだ」(幹部)と判断した。関係者によると、国以外の道路管理者も撤去方針に沿って対応する見通しだ。  同省によると、同様の構造のトンネルは、高速道路や直轄国道で計49本(笹子上り線含む)、地方自治体や地方道路公社管理の道路で計12本。  県内で対象となるトンネルは、上信越道の八風山下り線(佐久市―群馬県下仁田町、4・5キロ)、太郎山上り線(上田市―埴科郡坂城町、4・3キロ)、五里ケ峯上り線(坂城町―千曲市、4・5キロ)、長野道の立峠下り線(松本市―東筑摩郡筑北村、3・6キロ)、中央道の恵那山下り線(下伊那郡阿智村―岐阜県中津川市、8・5キロ)、国道19号の鳥居(塩尻市―木曽郡木祖村、1・7キロ)の計6本。天井板は恵那山と鳥居のトンネル全線、他の4本は部分的に設置されている。  各高速道路会社や同省地方整備局は12日までに緊急点検結果を同省に提出することになっており、同省はこれらの結果も踏まえ、構造面から天井板が必要なトンネル、代替の換気システムが設置できない箇所を除き、撤去を進めたい考えだ。  八風山、太郎山、五里ケ峯、立峠の県内4本を含む計14本を点検した東日本高速道路(東京)は取材に「走行に支障のある損傷は見つかっていないが、利用者が不安を感じないよう撤去の方向で議論を進めている」とする。中日本高速道路(名古屋市)は恵那山下り線について「点検で安全が確認されている」とし、現時点で天井板撤去を早急には行う必要はないとの認識。国交省の調査・検討委員会の議論を踏まえ、具体策を検討するとしている。  トンネル上部と天井板の間の空間は、トンネル内に空気を送り込んだり排出したりする役割を果たしている。羽田雄一郎国交相はこれまでに、排ガス規制強化に対応した自動車の環境性能向上や、トンネル内に設置するジェットファン(強制送風装置)の性能が上がっていることを挙げ、天井板撤去に前向きな姿勢を示している。  一方、9日から天井板撤去が始まった笹子トンネル下り線は、年末の帰省ラッシュが始まる29日までに、対面交通での仮復旧を目指していることも分かった。(長野県、信濃毎日新聞社)


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