長野、群馬、茨城3県警の合同捜査本部は11日、共謀して19都道県で272件、総額約5億3千万円の振り込め詐欺を重ねていたとして、同日までに詐欺などの疑いで埼玉県の会社役員ら8人を逮捕したと発表した。被害のうち17件、総額約4600万円分を立件。長野県内では確認した被害13件、総額2289万円のうち、4件、650万円を立件した。 県警振り込め詐欺対策室や茨城県警捜査2課によると、逮捕したのは、だまし取った現金を口座から引き出す「出し子」を管理していた埼玉県新座市の会社役員長屋孝介容疑者(31)、出し子に指示を出していた同県富士見市の会社役員昆修平容疑者(32)と、出し子2人、出し子から現金を受け取る回収役2人、犯行に使うキャッシュカードを販売した2人。出し子ら6人は25~43歳で5人が東京都と埼玉県在住、1人が住所不定。 このうち、昆容疑者ら5人は既に詐欺罪で起訴され、1人が保釈、1人は詐欺罪で実刑判決が確定している。 長屋容疑者らの逮捕容疑は、共謀して昨年10月、茨城県内の60代女性に息子をかたって「会社の金を使い込んだ」とうその電話をかけ、180万円をだまし取った疑い。一連の犯行には、都内の名簿業者から購入した名簿を使っていたという。 同対策室によると、県内では長野市や東御市など9市町村に被害者がおり、被害額は最大540万円余り。昨年7月に長野市の60代女性が98万円をだまし取られ、捜査していた長野南署が茨城県警と共通の容疑者にたどり着き、同9月から合同捜査をしていた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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