松本市は12日、5日に57歳で急逝した人気歌舞伎俳優の中村勘三郎(本名・波野哲明)さんを、同市の名誉市民とすることを決めた。日本の伝統文化、歌舞伎を松本市に定着させ、市の芸術文化発展に大きく貢献したとしている。 勘三郎さんは2008年から隔年で、同市のまつもと市民芸術館の芸術監督串田和美さんとともに「信州まつもと大歌舞伎」の開催に尽力。舞台で大勢の市民キャストと共演した他、出演者が市街地を松本城まで練り歩く「登城行列」などで市民との交流を深めてきた。 市は、若者に歌舞伎に触れる機会をつくったことを高く評価。菅谷昭市長が、市名誉市民選考委員会に諮問し、候補者となることを認める答申を受けた。12日に市議会に関連議案を提出、議決された。 市はこれまでに、指揮者小澤征爾さん、同市出身の芸術家草間弥生さんらに名誉市民称号を贈っており、勘三郎さんは33人目。 同芸術館の献花台は16日午後8時まで、記帳台は27日まで設ける。これまでに約3千人が記帳に訪れたという。(長野県、信濃毎日新聞社)
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