松本市の中学校で社会科教員1人が本年度1学期の成績の評価方法を誤り、本来より1~2段階低い評定(5段階)を通知表に記して生徒に配布していたことが26日、同市教育委員会への取材で分かった。同校は保護者の指摘で誤りに気付き、今月11、13日に該当する生徒29人と保護者に謝罪、14日に評定を訂正した通知表を配布し直した。 市教委によると、ミスがあったのはこの教員が担当する1年生2学級計71人の評定。指摘を受けて成績を評価し直した結果、27人が本来より1段階、2人が2段階低い評定だったことが分かった。残り42人は再評価の前後で評定に変わりはなかった。 この教員は、評定にパソコンの表計算ソフトを使用。71人全員について中間テストなどの結果は算入したが、期末テストの結果と1学期後半の思考力、意欲などの評価点を算入していなかったという。社会科教員でつくる教科会の点検でもミスを見逃し、通知表を配布していた。 今月の学級保護者会で「定期テストの点数の割に評定が低かった」との質問があり、ミスが判明した。 同校の校長は「成績の付け方は学級担任や教頭、校長も確認するようにし、同じことが二度とないようにしたい」としている。市教委は「保護者が指摘するまでミスに気付けなかったのは問題」とし、市内小中学校にチェック体制の強化を求めた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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