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市民の「美術講座」300回に 上田の画家・米津さん企画

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 上田市中央2の画家米津福一(ふくいち)(雅号福祐(ふくすけ))さん(75)が企画し月1回、市内で続けている市民向け「美術講座」が13日で300回を迎える。1988(昭和63)年に始め、2月で25年目に入る。美術に限らず音楽、文学、料理といった幅広い分野で活躍する市民を講師に招き、講演や作品発表などをしてもらっている。多様な文化を学べる場として定着しており、米津さんは「私に好奇心がある限り続けたい」と話す。  同市出身の米津さんは市内の高校を卒業後、食堂を営んでいた父親の指示で、東京の日本料理店で1年ほど修業した。実家へ戻り、食堂を手伝いながら、高校時代から好きだった絵を独学で続けた。旧小県郡大石村(東御市滋野乙)出身の江戸時代の名力士「雷電為右衛門(ためえもん)」を題材にしたさまざまな絵を描くことで知られ、県美術展などで何度も入選。現在は東京の美術団体「二紀会」の委員(参与)を務める。  大学受験に失敗した経験もあるため「大学などに行かなくても、いろいろな人に話を聞いて文化を学べる場をつくろう」と講座を始めた。  各回90分で、会場は米津さんが会長を務める宴会・結婚式場「ささや」。講師は米津さんが普段の付き合いの中で「もっと話を聞きたい」と思った人に頼んでいる。美術関係者のほか教員、企業経営者、音楽家などさまざまな人に依頼した。昨年亡くなった上田市の編集者兼作家、小宮山量平さんは複数回講演。米津さん自身も好きなジャズなどについて語ったことがある。  「美術講座」には「講師が一生懸命取り組んでいることを聞いて、『美しい生き方』を学ぶ」という意味も込めている。参加者は毎回20~30人ほどで100人近くになることも。会費は千円だが、講師への謝礼などで赤字という。  13日の300回記念講座は午後4時から。市内の日本舞踊グループ「貴山(きやま)流貴山観桜(かんおう)み会」が舞いを披露する。米津さんは「気が付いたら300回になっていた。話を聞きたい人はまだまだたくさんいます」と張り切っている。(長野県、信濃毎日新聞社)


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