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「平家伝説」ミュージカルに 伊那・長谷が舞台

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 「平家の落人の里」と伝わる伊那市長谷の浦地区を舞台にしたミュージカル「落人たちのブロードウェイ」が13~17日、東京・新宿の紀伊国屋ホールで上演される。東京を拠点とする劇団「Theatre(シアトル)劇団子(げきだんご)」の創立20周年記念公演。同市出身の団員がいる縁で、現地取材を基に脚本を仕上げた。長谷の実際のダム計画を踏まえ、現代の「浦村」でダム建設のため立ち退きを迫られた平家の末裔(まつえい)らが奮闘する―との粗筋だ。  浦地区に落ち延びたとされる平維盛(これもり)の幽霊も登場。歌や踊り、笑いを交えながら地域の人間模様や家族のつながりを描く。分杭(ぶんぐい)峠など長谷の地名や方言も登場する。  伊那市西町出身の団員、島村比呂樹さん(36)が浦地区に残る平家の伝説を知り、劇団を主宰する石山英憲さん(40)らと7月に地域住民を取材。著名にならずとも地道に演劇を続ける劇団の姿を「平家の落人」に重ね、題材に選んだという。「平家物語」も参考にした。  伊那谷は度重なる豪雨災害を受け、1988(昭和63)年、長谷で国直轄の多目的の戸草ダム建設事業が始まった。2001年に県が利水から撤退を表明。建設の見直しを迫られたが、水没を前提に移住した人もおり、浦地区で現在も暮らすのは10世帯だけだ。  石山さんらの取材を受けた一人、浦地区総代の小松忠人さん(81)は「長く一緒に暮らしてきたので、地区が一つの家族のようだった」と振り返る。小松さんによると、平家の祖先とされる小松姓の住民が赤い旗を持ち寄る「先祖祭り」が受け継がれていた。現在は、地区住民が3月の祭りの日に合わせ、公民館に集まっている。  「生まれ育った土地が、若い人も誇りを持てる場所であってほしい」と島村さん。劇を通じて「先祖から受け継がれてきた地域で自然や人々に包まれて生きる大切さや、前向きに挑戦することを伝えたい」と話している。  団員のほか、俳優の載寧(さいねい)龍二さん、つぶやきシローさんらが出演する。問い合わせは同劇団(電話03・6457・6908)へ。(長野県、信濃毎日新聞社)


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