華麗な舞 五穀豊穣願う　阿南・伊豆神社で「新野の雪祭り」

　下伊那郡阿南町新野（にいの）の伊豆神社で１４日夕から１５日朝にかけ、五穀豊穣（ほうじょう）を願う「新野の雪祭り」（国重要無形民俗文化財）が行われた。３０センチほど雪が積もった境内で、神の面などを着けた地元住民らが華麗な舞を披露し、訪れた観光客らを魅了した。 　１５日午前１時すぎ、地元消防団員ら約２０人が、「ランジョウ、ランジョウ」の掛け声とともに舞い手の支度部屋の壁を木の板でたたいた。その音に導かれるように、柔和な表情の面を着けた「幸法（さいほう）」が登場。軽快な足取りで舞った。 　馬の形の衣装をまとって現れた神様は「競馬（きょうまん）」。境内から参道などに向けて矢を放った。御利益があるとされる矢を拾った会社員の冨田直樹さん（４２）＝阿南町新野＝は「ことしがいい年になるよう期待します」と話した。 　祭り当日に雪が降ると豊作になるとされ、保存会長の金田昭徳さん（７１）は「とてもうれしい。世の中が安定することを願ってます」と語った。（長野県、信濃毎日新聞社）