いじめや学校内での死亡事故などへの対応の仕方を県内小中高校の教員が学ぶ「リスクマネジメント(危機管理)研修」が15日、塩尻市の県総合教育センターで2日間の日程で始まった。大学教員や弁護士が講師となり、実際にあった事故や事件を教材にして説明。参加者同士がグループに分かれ、学校が対応する際の問題点などを話し合った。 研修は同センターと日本女子大(東京)との共催。今回は10年目くらいの若手から中堅の教員が主な対象で、約80人が参加した。事例を基に議論することで、体罰への認識や危機管理の方法は学校や教員個々の考え方に違いがある―と認識した上で、実践的な対処方法を学ぶ狙いだ。 事故、いじめ、個人情報の管理、体罰、教員不祥事など、学校現場での課題を取り上げる。「学校事故」について説明した同大の坂田仰(たかし)教授は「時代とともに保護者や地域住民の意識は変化している。(前例踏襲の)経験主義では対処しきれない」と指摘。部活動中に熱中症で生徒が死亡した事故の管理責任について、「最近は熱中症の知識を全教員が持っている前提で裁判所が判断する」と述べた。 松本市清水中の等々力陽平教諭(31)は「法的なことは学んだことがないので判例などを詳しく知りたい」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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