昨年春以降、農家が使う重機やダンプカーの盗難被害が相次いでいる南佐久郡南牧村は今春、村内の主要道路沿線に防犯カメラ8台を設置することを決めた。盗難被害者らの要望も受けたとし、犯罪抑止と事件解決が目的だと説明。既に防犯カメラの設置管理規則を定めた。 村によると、不審車両のナンバーや運転手を撮影する目的で、村内を通って山梨県へ抜ける国道141号脇などに設置し、24時間録画する。モニター画面による常時監視はせず、映像は役場内の鍵付きの棚に設置するハードディスクに30日間保存。保存期間が過ぎると新たな映像が上書きされ、古い映像は順に消える。総事業費は約2千万円。 同規則は犯罪捜査目的で警察から協力を依頼された場合と、住民から村に届け出があり、村長が警察に通報する必要があるケースだと判断した場合に録画映像を利用するとした。菊池幸彦村長は村長が判断するケースについて、高齢者が行方不明になった場合なども含まれるとの認識を示している。 総務課は「防犯カメラの周囲には民家がほとんどない」とし、プライバシーに配慮したと説明している。 南牧村では昨年5月から10月にかけて農家の重機計11台が盗まれ、佐久署は10月に山梨県の男2人を盗みの疑いで逮捕。だが、今月に入ってもダンプカー2台が盗まれる被害があった。 村によると、被害者を含む複数の住民から村に防犯カメラ設置の要望が寄せられ、佐久署の助言も受けて設置を決めた。村は防犯カメラの場所は設置後に村民に広報する予定。地元防犯協会などに説明したところ、「8台では主要な道路をカバーしきれないといった声も出た」(総務課)とし、追加設置も検討している。(長野県、信濃毎日新聞社)
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