長野刑務所(須坂市)は18日、長野拘置支所(長野市)内で女性被告(当時)の体を触るなど不適切な行為をしたとして、同支所副看守長の熊井達三刑務官(56)を同日付で懲戒免職処分にしたと発表した。青柳宏支所長(40)と直属の上司(59)については減給10分の1(1カ月)とした。同刑務所は女性被告が処罰を求めていないなどとして、刑事告発しない方針としている。 同刑務所によると、熊井元刑務官は昨年10月初旬から11月中旬にかけ、夜間巡回の際や、運動時間後に女性被告を居室へ連行する際に手を握った他、体を触ったり、キスしたりした。単独室に収容されていた女性被告に、食事などを受け渡す窓からクリームパンやシュークリーム、好意を伝えるメモを渡したこともあった。 連行は元刑務官と女性刑務官の2人で担当したが、女性刑務官の目を盗んで不適切な行為に及んでいたという。 熊井元刑務官は勤続30年で、昨年3月に同支所に配置された。女性被告は刑確定前の未決勾留者として同支所に収容され、その後に懲役刑が確定。移送先の刑務所で、女性被告の所持品から元刑務官が渡したメモが見つかり、不適切な行為が発覚した。 元刑務官は同刑務所の調査に対し、運動時間中に女性被告に声を掛け、「会話を交わすうちに好意を抱いた」と説明。女性被告は「被害感情は抱いていない」などと話したという。同刑務所は強要などはなかったとしている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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