「5行で縦書き」だけを決まり事にした詩歌「五行歌」を広めている上田市新町の会社員鈴木和香子さん(43)の作品が、同市別所温泉の市営日帰り温泉施設「あいそめの湯」ラウンジに常設展示された。佐久市の男性が東信地方で撮影した花や風景の写真に歌を付けた「フォト五行歌」として15点ほどを展示しており、毎月入れ替える予定だ。 鈴木さんは2000年、五行歌の月刊誌「彩(さい)」に投稿したのを機に創作を始めた。風祭智秋(かざまつりちあき)が筆名で、現在は彩の代表も務める。彩を読んで「一つ一つの言葉が心に染みた」と言うあいそめの湯副支配人の宮沢稔さん(70)との縁で常設展示が実現した。 鈴木さんは、彩の表紙を手掛ける男性の写真を見て歌を作ることが多く、過去の歌を写真に付けることもあるという。写真に最も合う字体や色、配置にもこだわり、昨年10月にフォト五行歌の作品集「五行ぽっち」を出版した。 展示作品の一つは「旅立ちに/早いも遅いも/あるもんか/いつだって/大空は待ってる」。佐久市の「佐久バルーンフェスティバル」で、飛び立とうとする気球の写真に付けた。クモの巣で光る雨粒の写真には「思わぬ悲しみに/捕らわれても/抜け出せば気づく/神様の紡いだ罠(わな)は/未来を開く」と添えた。「悲しみや苦しみも、先に進むために必要な過程だという思いを込めた」と話す。 「五行歌は子どもからお年寄りまで、素直に表現できるのが魅力。俳句や短歌と併せ、文芸を盛り上げるきっかけにしたい」と鈴木さんは意欲的だ。作品は、あいそめの湯の営業時間(午前10時~午後10時)内はいつでも鑑賞できる(第2、第4月曜休館)。問い合わせは彩編集室(電話080・2001・3311)へ。(長野県、信濃毎日新聞社)
上田の温泉施設に「フォト五行歌」 地元女性の作品を常設展示
信濃町の野尻湖発掘で化石次々と ナウマンゾウの肋骨など
上水内郡信濃町の第20次野尻湖発掘で、ナウマンゾウなどの化石が次々と出土している。24日もナウマンゾウの肋骨(ろっこつ)など大きな骨が複数出土し、発掘を始めた21日から4日間で確認した化石は植物や貝なども含め計291点になった。湖畔北西の立が鼻遺跡一帯が野尻湖人のキルサイト(狩猟解体場)だったと証明するための貴重な検討資料として、期待を集めている。 発掘調査団によると、24日に見つかったナウマンゾウの肋骨は長さ約85センチ。この日は取り上げず、凍って壊れないように石こうで固めた。約4万5千年前とみられる地層から出土し、近くで長さ約70センチの別の肋骨や背骨も見つかった。 今回見つかったナウマンゾウなど哺乳類の化石は計59点。何らかの力で割れたとみられるナウマンゾウの骨もあり、人為的な力が加えられたと分かれば一帯がキルサイトだったとの証拠になる可能性がある。 調査団顧問で野尻湖ナウマンゾウ博物館館長の酒井潤一さん(77)=塩尻市=は「短期間で多くの化石が密集して見つかっているので、今後の発掘に期待が持てる」と話している。(長野県、信濃毎日新聞社)
菓子パンに針 下諏訪のスーパーで購入、客届け出
諏訪郡下諏訪町のイオン諏訪店で23日に袋入り菓子パンを購入した男性客が「パンに針が入っていた」と店に届け出ていたことが24日、分かった。店から通報を受けた諏訪署はパンや針、包装袋を押収し、何者かが針を混入させた偽計業務妨害の疑いもあるとみて混入経路を調べている。 同署によると、男性客は23日早朝、同店でパンを購入。自宅で食べようとした際、長さ約3センチの金属製の針が入っていることに気付いたという。針を口には入れず、けがはなかった。男性の指摘を受け、店は同日午前9時前、署に届け出た。 諏訪署によると、店内のパン売り場にある監視カメラの映像に不審な人物は映っておらず、製造過程か売り場以外の場所で針が混入した可能性がある。これまでのところ、袋の表面に穴などは確認できていないという。同署や店は、パンの製造元や製造時期を明らかにしていない。 イオン(千葉市)コーポレート・コミュニケーション部によると、諏訪店では混入発覚後、同じ商品を売り場から撤去。ほかのパンについては金属探知機で確認し、通常通り販売している。ほかの商品に異常は見られないという。 金属探知機による検査は、製造元のほか、各店でも毎日実施しているが、入荷の時間や量によって全商品を検査し切れない場合もあるという。同部は「商品の管理態勢強化に努める」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)
村の魅力、Iターン者ら語る 大鹿で「まめったいサミット」
中山間地での生きがいのある暮らしを考える「第6回地域まめったいサミット―ムラは生きている」(県社会福祉協議会など主催)が24日、下伊那郡大鹿村交流センターなどで開かれた=写真。村内外の約140人が参加し、自然環境に恵まれた同村で暮らす魅力について意見を交わしたり、村内を視察したりした。 大鹿村にはIターン者が多く、昨年3月時点で213人と人口約1140人の19%。約40人が参加したサミットのトークカフェでは、I・Uターン者約20人がなぜ大鹿を選んだのかを語り、「南アルプスに近い」「地域おこしに関心を持つIターン者が多い」との声が上がった。 村外の参加者からは、雇用面で不安がなかったか―との質問が出た。村内で宅幼老所を運営するNPO法人「あんじゃネット大鹿」の女性は、「お年寄りが何に困っているのか考えることで今の仕事につながった」と語った。 トークカフェは、同法人や村民らでつくる「大鹿の100年先を育む会」などが企画。育む会の前島久美代表(32)=大鹿村大河原=は「Iターン者がなぜ大鹿を選んだのか語り合う場は少なかった。大勢が村の景観の良さなどを魅力に感じていることがあらためて分かった」と話した。 サミットではほかに、哲学者内山節(たかし)さん(64)の講演や村内を巡る3コースの視察があり、同村に伝わる大鹿歌舞伎が演じられる大磧(たいせき)神社などを訪れた。(長野県、信濃毎日新聞社)
ソチ五輪4選手、応援に感謝 下諏訪・日本電産サンキョー報告会
諏訪郡下諏訪町の日本電産サンキョースケート部は24日、ソチ冬季五輪の男女スピードスケートに出場した4選手の報告会を町役場で開いた。長島圭一郎(31)、加藤条治(29)、上條有司(27)、高木菜那(21)の各選手とコーチら計11人が出席し、声援に感謝を伝えた。 報告会は町が呼び掛け、町民や町職員約70人が参加した。長島、加藤両選手の男子500メートルを含め、メダルに届かなかった結果について、今村俊明監督(51)は「オランダ勢に完敗し、悔しい。4年後は金メダルを目指す」と強調。500メートル6位の長島選手は「応援のおかげで力を出し切れた。これからも頑張ります」、5位の加藤選手は「メダルには届かなかったが、接戦の中で5位に入ったのは収穫」と語った。 青木悟町長は「みなさんの頑張りに多くの人が勇気づけられた」と話し、文字盤に選手たちの写真が入った記念の置き時計を贈った。 ソチ五輪ではほかに、500メートルで上條選手が20位、高木選手が女子団体追い抜きで4位、女子1500メートルで32位だった。この日は栃木県で開かれた第69回国体冬季大会の報告会も兼ね、出場した同社スケート部の3選手が出席した。(長野県、信濃毎日新聞社)
天井に水たまり…収れん火災? 富士見でビニールハウス出火
2月の大雪で農業施設に大きな被害の出た諏訪郡富士見町で24日、ビニールハウス内から出火、ハウス約200平方メートルを焼く火事があった。茅野署の調べだと、雪の重みでへこんだ天井部のビニールに水がたまり、レンズのように太陽光を集め、ハウス内の可燃物に着火した「収れん火災」の可能性が高い。県内には壊れたビニールハウスが多数あり、富士見消防署などは注意を呼び掛けている。 同日午後0時40分ごろ、富士見町立沢の花苗・野菜苗生産会社「H&Lプランテーション」のハウスから煙が出ているのを男性従業員が発見、消防に通報した。火は約50分後に消し止められたが、ハウスを半焼した。 同社によると、ハウス内ではラベンダーの苗を育てていたが、2月の大雪で鉄骨の枠組みがゆがみ、中央部が大きくへこんで使えなくなり、倒壊の危険性があるため立ち入り禁止にしていた。 茅野署によると、ハウス内には苗のほか、紙製の商品ラベル数十万枚が箱に入れたまま置いてあり、この周辺が激しく燃えていたという。ハウスへの電気は止めてあり、ほかに火の気もなかったことから、同署は収れん火災が起きたとみている。 火災の原因研究などが専門の須川修身(おさみ)・諏訪東京理科大学(茅野市)教授は「同様の火災を防ぐためにはハウスの天井部に水がたまらないようにするしかない」として、ビニールに穴を開けたり横に水を落としたりする必要があると指摘している。(長野県、信濃毎日新聞社)
信大生、希望を胸に旅立ち 松本キャンパスの卒業式
信州大(本部・松本市)は25日、松本キャンパスの卒業式を松本市のキッセイ文化ホール(県松本文化会館)で開いた。人文、理、経済、医の4学部の計834人が卒業、大学院の計168人が修了した。会場の外では、待ち受けた後輩たちが、着物やスーツ姿の卒業生らを胴上げしたり花束を贈ったりして祝福した。 山沢清人学長は式で「リーダーとなるべき人は、常に人と社会の持続可能性と、それを守るための責任を強く自覚しなければならない」と強調。「自分の知識や仕事、生きざまが、人間全体、社会全体、歴史の中でどんな位置にあるか常に考えてほしい」と激励した。 医学部保健学科を卒業し、出身地の三重県内の病院に臨床検査技師として就職する山本麻瑚(まこ)さん(22)は「技師は患者さんの前に出ることは少ないが、検体をしっかり見て異常を見つけ、医療に貢献したい」と話した。理学部物理科学科を卒業し、出身地の新潟県で警察官になる大田啓(ひろむ)さん(22)は「合唱サークルで仲間のさまざまな価値観を共有して互いを思いやることを学んだ。社会に出るのは不安もあるが、大学で培ったことを生かして地域や人のために役立ちたい」と抱負を語った。(長野県、信濃毎日新聞社)
豪雪「情報発信に課題」 県検証チーム初会合、初動や規制検討
県は、2月の豪雪災害の教訓を今後の対応に生かすため、各部局の担当者や地方事務所の副所長らでつくる「事後検証チーム」(座長・和田恭良副知事)を発足させ、24日、県庁で初会合を開いた。初動対応、除雪体制、交通規制、県民や被災者への情報発信を重点的に検証する作業部会を随時開き、県民意見も踏まえて6月までに結果をまとめる予定。地域防災計画への反映も検討する。 初会合では、交通機関のまひや集落の孤立といった被害状況を確認。部局や地方事務所ごとにあらかじめ整理した課題を話し合った。情報発信については不十分だった―との指摘が相次ぎ、「後手に回ると苦情が殺到し、事務量が増える。先手、先手の対応が課題」(広報県民課)との意見も。短文投稿サイト「ツイッター」の活用なども対応策として挙がった。 県と市町村や関係機関などとの情報共有では「県から市町村に派遣した職員が派遣先の地理などに詳しくなく十分に機能しなかった」「関係機関の中で通行止めの情報が共有されていなかった」といった課題が出た。 危機管理防災課によると、現行の地域防災計画には今回の災害で問題になった滞留車両への対応についての記載がないなど不備がある。玉井裕司課長は「検証の結果、修正しなければならない部分は当然出てくる」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)
センバツ 東海大三、初戦突破ならず 広島・新庄に0-6
第86回選抜高校野球大会第5日は25日、甲子園球場で1回戦が行われ、第1試合で県勢の東海大三は0―6で新庄(広島)に敗れ、初戦で姿を消した。 東海大三は、先発の高井が一回2死一、三塁から適時打で先制された。五回は4連打で2点を追加され、六回から継投した救援陣は計3点を失った。打線も振るわず、新庄の左腕山岡に対して2安打、13三振。三塁を踏めなかった。 第2試合は今治西(愛媛)と桐生第一(群馬)が対戦。桐生第一は一回に山田の適時打で先制すると、二回には4長短打などで3点、四回にも1点を加え、5―1で勝って新庄とともに2回戦に進んだ。(長野県、信濃毎日新聞社)
小川村長選、伊藤博文氏が無投票再選
任期満了に伴う上水内郡小川村長選は25日、告示され、現職の伊藤博文氏(65)=無所属、瀬戸川=が立候補したほかに新たな届け出はなく、伊藤氏の無投票再選が決まった。 伊藤氏は同村高府のながの農協西山支所駐車場で第一声。農林業の振興や若者の定住促進などに取り組んだ1期目を振り返り、「これからの4年間は本当に大切。村の基盤をさらに強固なものにする」と述べた。 (長野県、信濃毎日新聞社)
学部や世代超えた交流推進 信大が「校友会」設立
信州大(本部・松本市)は、在学生や卒業生、教職員、課外活動団体、学部同窓会などの「校友」を結び付け、交流する場を提供する「校友会」を設立した。大学と校友の緊密なネットワークを作り、人材を活用することで、大学発展につなげたい考えだ。 事務局の研究推進部によると、信大には学部単位などに10の同窓会があり、各同窓会長による同窓会連合会もある。ただ、キャンパスが県内5カ所に分かれていることもあって活躍する校友の情報が十分把握できず、校友会を作ることにした。 会員は個人、団体、賛助(校友会活動に賛同する個人や団体)の3種類で、校友会ホームページ(HP)で登録(無料)できる。会長は信大学長が務める。 HPで大学や同窓会、校友個人の活動を紹介するほか、校友会が交流行事を主催して参加を呼び掛ける。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などを活用し、情報を発信・共有する仕組みも検討している。 校友会は1日に設立し、各キャンパスの卒業式で卒業生に登録を呼び掛けた。4月以降に新入生や在学生、教職員にも登録を促す。事務局は「学部や世代を超えた交流を進め、さまざまな企業で働く校友間の異業種交流も考えたい」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)
ヒノキの歩車道境界ブロック 地元産間伐材で木曽の県道に設置
木曽郡木曽町のJR木曽福島駅に近い県道木曽福島停車場駒ケ岳線に、道路設備の製造、設置などを手掛ける業者でつくる信州エコ資材製品推進協会(長野市)が木曽産ヒノキで作った「歩車道境界ブロック」が設置された。車道と歩道を分けるブロックで、景観に調和する製品として全国に発信するとしている。 樹齢約50年の木曽産ヒノキの間伐材を使い、茶色がかった本来の色合いを生かしたという。木曽町では県道の片側約260メートル区間に設置した。 同協会によると、コンクリート製ブロックは、寒冷地で内部の水分が凍結したり、解けたりを繰り返して劣化しやすい。木製はこうした劣化が少なく、道路の凍結防止剤に含まれる塩化カルシウムによる腐食にも強いという。 木曽町では25日、協会関係者らが工事終了の確認をした。石坂和夫事務局長は「自然が多い木曽の景観にもマッチしている。エコな資材として全国にPRしていきたい」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
風送るキーボードで作業快適に 駒工高生徒、全日本発明展で特別賞
駒ケ根工業高校(駒ケ根市)機械科3年の加藤貴之君(18)=伊那市=が、汗ばむ指にキーの間から微風を送るパソコンのキーボードを考案し、第72回全日本学生児童発明くふう展で最高賞に次ぐ特別賞に選ばれた。27日に都内で表彰式がある。4月から地元で製造業の会社に勤める加藤君は「高校生活で学んだ技術や発想を社会で生かしたい」と意気込んでいる。 考案した「エアフローキーボードWind Touch(ウインドタッチ)」は、市販のキーボード内部に小型ファンを2個設置。キーとキーの間に数十個開けた直径数ミリの穴から風を送る仕組みだ。スイッチ操作により、長時間のキーボード操作で指が汗ばんだ時に風を送る。 授業や自宅で夏場にパソコンを使う際、手が汗ばんで作業効率が下がるのを解消したいと思ったのが製作のきっかけという。知的財産権を学ぶ選択授業で作り始め、夏休みも使って昨年9月に完成。昨年の「第40回県発明くふう展」高校生の部で、発明協会会長奨励賞を受けた。 特別賞について「地道な作業を繰り返した作品で賞を取れてうれしい」と加藤君。「工業高校ならではの授業で学べたことがたくさんある。高校生活の良い思い出になった」と話している。 全日本の発明くふう展は公益社団法人発明協会(東京)の主催。都道府県の発明協会などが推薦した小中学生、高校生の782件から、特別賞には13件を選んだ。県内では加藤君だけ。(長野県、信濃毎日新聞社)
しなの鉄道「ろくもん」7月11日から運行 車内で提供の料理公表
しなの鉄道(上田市)は25日、軽井沢―長野間の観光列車「ろくもん」の運行を7月11日に始めると発表した。4月15日から乗車の予約を受け付ける。この日は沿線地域の食材をふんだんに使い、車内で提供する予定の懐石料理やデザートも公表した。 ろくもんは週末や夏休みなどに運行し、軽井沢発が午前10時41分と午後3時57分、長野発が午後1時25分の1日3便。7月は金、土、日曜を中心に計12日間、8月は計23日間運行する。 食事付きプランは長野―軽井沢間を全区間乗車するのが条件で、運賃は大人、子どもとも1万2800円。軽井沢―篠ノ井間で自由に乗り降りでき、乗車駅への移動や下車駅からの帰路に使える切符が付く。食事なしの場合は、利用区間の通常運賃と指定席券(大人千円、小学生以下500円)で乗車できる。 車内で提供予定の料理は、軽井沢発は沢屋(北佐久郡軽井沢町)が前菜、アトリエ・ド・フロマージュ(東御市)がメーン料理を担当。前菜は西洋ワサビであえた地鶏「真田丸」など6品。メーンは、ろくもんの名前の由来になった戦国武将真田氏の家紋「六文銭」をイメージし、角切りの信州牛やチーズの肉巻きなど六品だ。 長野発は小布施鈴花(すずはな)(上高井郡小布施町)が担当する懐石料理。二段の重箱に信州サーモンの西京焼きやフキノトウの白あえなどを詰め、佐久鯉(ごい)の白みそ仕立てや栗おこわを添える。 しなの鉄道の藤井武晴社長は「地域の食材がしっかり使われ、見た目もきれい」と話した。ろくもんは、同社の115系車両を県産木材で大幅に改造する。この日は千曲市の工場で改造工事の安全祈願もした。(長野県、信濃毎日新聞社)
「認知症高齢者、安心して出歩けるまちに」 小諸市が靴用ステッカー
小諸市は4月から、徘徊(はいかい)などの症状がある認知症高齢者らの靴のかかとに貼る反射材のステッカーを導入する。当事者や家族の申請に基づきステッカーを無料で配布。街でステッカーを付けた人を見掛けた際には、引き留めたり声を掛けたりしてもらう。 ステッカーは赤と黄色の2種で、市セーフコミュニティ推進協議会のシンボルマークが入る。黄色は「声掛け」の対象。付けた人を見掛けた場合、「どこへ行くのですか」などと話し掛け、道案内することなどを市民に求める。赤色は1人で出歩かないことが前提の「保護」の対象で、見掛けたらすぐに引き留め、市役所の高齢福祉課に連絡するよう求める。 同課によると、2009年度~本年度、市内の高齢者が外出したまま行方不明になった事例は年2~11件で、昨年度と本年度はそれぞれ1人が亡くなって発見された。 昨年、市内の医師から対策として「当事者が服にバッジを着けて目印にしてはどうか」とのアイデアを聞いた市職員が、市地域包括支援センター職員の「靴のシールだと常に付けていられる」との助言も参考に、ステッカーを考えた。 市高齢福祉課の担当者は「黄色のステッカーを付けた人に声を掛けて、何も困っている様子がなければそのまま出歩いてもらえばいい」と説明。「ステッカーが市民に浸透することで、認知症の高齢者でも安心し、堂々と出歩けるまちになってほしい」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)
木島平村が計画「農の拠点施設」 村会、経費削除の予算可決
下高井郡木島平村議会(定数12)は3月定例会最終日の25日、村が提出した本年度一般会計補正予算案と2014年度一般会計当初予算案について、村が農業や観光の発信基地として計画した「農の拠点施設」関連経費を削除した議会提出の修正案を賛成多数で可決した。可決後、村も原案から関連経費を一部削除した補正予算案の修正案を提出したが、賛成少数で否決された。 芳川修二村長は、村議会はこれまで設計費などの関連予算は認めてきているとした上で「計画が進んできたこの時点で、なぜ否決になるのか理解に苦しむ」と批判。一方、予算が認められなかったことで「建設は難しい」と述べ、建設計画の今後については「村民の声を聞きながら考えたい」とした。 「農の拠点」は、2015年3月の北陸新幹線(長野経由)金沢延伸を見据え、隣接する飯山市に開業する新幹線飯山駅の利用客らに対する農業や観光の発信拠点に―と村が計画。本年度補正予算案に建設費約6億円を、来年度当初予算案に運営会社への補助金など約1億円をそれぞれ計上した。 これに対し、3月定例会では収支計画の内容や計画通りの運営ができるかどうかに疑問の声が出て、25日、総務民生文教委員会が建設費6億円と補助金約7千万円を削除した修正案を提出。本会議で議長を除く11人により記名式の投票で採決し、本年度補正、来年度当初のいずれの修正案も賛成7、反対4で可決した。 これに対し村は、「国から補助金の内示もあり、穴を空けては今後の申請にも影響が出る」などとし、建設費のうち、トイレや駐車場スペースなどの工事費約1800万円を削った補正予算案を追加提出。起立採決の結果、賛成5、反対6で否決された。(長野県、信濃毎日新聞社)
ご当地キャラ真剣勝負! 小谷で「ゆるキャラリンピック」
北安曇郡小谷村の白馬乗鞍観光協会は25日、ご当地キャラクターの初の雪上運動会「ゆるキャラリンピック」を白馬乗鞍温泉スキー場で開いた。県内外のキャラ14体が集結。スキーやスノーボードを履いた愛らしいキャラが普段は見せない必死さで力走し、約200人の来場者を沸かせた。 スキーを生かした催しで村を盛り上げようと企画。小谷村や埴科郡坂城町などに加え、大阪科学技術館(大阪市)の「テクノくん」や奈良県大和郡山市の「大和ゆかり」など、県内外のキャラが参戦した。 14体はスキーなどの速さを争う滑走競技で真剣勝負。子どもたちと玉入れをしたり、子どもを乗せたそりを引っ張って走ったりもした。小谷村小谷小学校6年の浜谷天音(あまね)さん(12)は「どのキャラも個性的でかわいかった。一緒に競争できて楽しかった」と喜んでいた。 観光協会の佐々木秀隆会長(67)は「来年以降は、村内3カ所のスキー場持ち回りで開くことも検討したい」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)
外国人延べ宿泊者数、13年の伸び率全国1位 82・9%増
2013年の県内の外国人延べ宿泊者数は前年比82・9%増の52万7430人(暫定値)となり、伸び率が都道府県別で首位だったことが、25日までの観光庁のまとめで分かった。全国的に東日本大震災後の落ち込みから復調。県内では官民で海外誘客(インバウンド)の取り組みを強化しており、県観光部は、オーストラリアから訪れるスキー客が増加し、大町市と富山県を結ぶ北アルプス・立山黒部アルペンルートが台湾の観光客の人気を集めていることなどが、宿泊者数の増加につながった―としている。 調査は2013年1月から3カ月ごとに、観光庁が全国のホテルや旅館、企業・団体の宿泊所など計約1万6千施設を対象に集計。全国では延べ約3324万人の外国人が宿泊し、前年比26・3%増だった。10年4月以降の調査は、従業員数が10人未満の宿泊施設も調査対象に加えており、それ以前と単純比較はできないが、調査を始めた07年以降、全国、県内とも宿泊者数は最も多かった。 観光庁によると、震災の影響で11年の全国の外国人延べ宿泊者数は落ち込んだが、その後は回復基調にあり、特に査証(ビザ)の要件が緩和されたタイやマレーシアからの宿泊者数が大幅に増加している。 13年の外国人延べ宿泊者数の前年比伸び率は長野が最も高く、香川(82・6%)、沖縄(74・5%)が続いた。長野県内の宿泊者数は11年に22万4140人に落ち込んだが、12年は28・6%増の28万8340人で、13年はさらに大きく伸びた=グラフ。 また、13年10~12月に県内に宿泊した人を国籍・出身地別に見ると、台湾が全体の41%で最も多く、香港11%、中国8%、オーストラリア6%と続いた。(長野県、信濃毎日新聞社)
小川村長選、伊藤博文氏が無投票再選
任期満了に伴う上水内郡小川村長選は25日、告示され、現職の伊藤博文氏(65)=無所属、瀬戸川=のみが立候補し、無投票で再選が決まった。同村長選の無投票は、2002年以来12年ぶり。 伊藤氏は当選後、同村高府の村公民館で開いた選挙結果報告会で「私より上の層の厚い年代が踏ん張って基礎固めしないと村は細ってしまう。アイデアを凝らして村の発展のため頑張っていく」と抱負を述べた。 伊藤氏は昨年12月の村議会定例会で再選出馬を表明。対立候補を模索する動きはあったが具体化しなかった。(長野県、信濃毎日新聞社)
外国人客向け旅案内アプリとHP作成 県旅館ホテル組合会青年部
県内の旅館やホテルでつくる県旅館ホテル組合会の青年部が26日、外国人客に県内の観光情報を伝えるスマートフォン向けアプリケーション(応用ソフト)とホームページ(HP)の運用を始めた。外国人に県内観光の魅力を発信し、誘客につなげる狙い。そば打ち体験など101項目の情報を伝えている。 アプリとHPの名前は「ユニーク長野」。文章はほとんど英語で記した。デザインは外国人が見やすいようにと在日アメリカ人に依頼した。 体験、芸術と工芸、料理教室などの分野別や地域別で検索できる。そば打ちや川下り、酒蔵見学といった項目ごとに概要と写真、住所、連絡先、交通案内を載せた。項目数は順次増やしていく。 今後は訪れた外国人観光客が体験した感想を書き込めるようにしたり、多言語対応にしたりするつもりだ。 青年部はこの日、千曲市総合観光会館で発表会を開いた。同市戸倉上山田温泉で旅館を営む青年部インバウンド(海外誘客)委員会委員長のタイラー・リンチさん(43)は「京都や秋葉原などではできない体験をうまく発信することで県内に長く滞在し、歴史や文化などに深く触れてもらいたい」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)