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トンボ指標に環境変化探る 下伊那教育会生物委が調査

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 飯田下伊那地方の小中学校の教職員らでつくる下伊那教育会の生物委員会が本年度から、飯伊地方に生息するトンボの分布調査を始めた。伊那谷の自然研究に励んだ元高校教諭の伊藤文男さんが亡くなって20年の節目を迎えたこともあり、伊藤さんが残した研究成果を基に、トンボを指標として飯伊地方の環境の変化を探っていく。  同委員会所属の小中学校教諭6人が調査に当たる。伊藤さんの教え子でもある委員長の中村貴俊さん(58)=飯田市座光寺小学校長=は「伊藤さんの死後、あまり調べられなかったトンボの分布や生態を明らかにしたい」と話す。  6人は同委員会顧問の山田拓(ひろし)さん(70)=飯田市美術博物館専門研究員=から採取法や見分け方の指導を受けて調査に臨んだ。本年度の調査は8市町村の85カ所で計212回実施。トンボを確認できた期間は昨年4~12月で、種類数は8月の38種がピークだった=グラフ。全体では50種を確認し、中には国内最少とされるハッチョウトンボなども含まれる。  伊藤さんは1992年に亡くなるまでに飯伊地方で72種のトンボを確認しており、このデータを基に種類数や分布域を調べていく。本年度調査では、20年前より種類数は少なかったが、伊藤さんの調査では飯田市のみに限られていたチョウトンボが下伊那郡阿南町の深見池でも見つかるなどの変化も確認された。  来年度は、まだ調査していない同郡天龍村など6村でも調査を進める。地形による分布の違いなどを明らかにしていく予定だ。  伊藤さんは「長野県のトンボ」(1977年、信濃教育会刊)の編集で中心的な役割を担うなど飯伊地方の自然調査に貢献した。中村さんは「伊藤さんを受け継ぐ私たちの調査も、後輩たちが飯田下伊那地方のトンボの生態を知る手掛かりになるようにしたい」と話している。  本年度の研究成果は26日午後1時から、飯田市鼎(かなえ)文化センターで開かれる同教育会の郷土調査部研究発表会で報告される。(長野県、信濃毎日新聞社)


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