駒ケ根市赤穂中学校で24日、自転車でユーラシア大陸を横断した横浜国立大大学院生の加藤功甫(こうすけ)さん(24)=長野市出身、田沢儀高(よしたか)さん(25)=横浜市出身=が保護者に向けて講演した。2人は道中、出会った子どもたちに現地調達した約20センチの糸を渡し、結んでもらった。帰国後に講演を聞いた子どもを含め、約6700人が結んだ糸は1250メートルほどに。これを巻いた物を持参し、「つながりの大切さ」を訴えた。 2人は大学時代から自転車で日本各地を回っていた。人間関係の希薄さがいわれるが、見知らぬ人に親切にされるなど「人とのつながりが大事だと感じた」と田沢さん。糸を結ぶことで、人との見えないつながりを形にして子どもたちに見せようと、ユーラシア大陸横断を計画した。 2011年4月にポルトガルを出発。ヨーロッパ、中央アジア、東南アジアなどの31カ国を約1年かけて巡った。行く先々で入手した糸は国によって化繊や羽毛など材質が違う。日本ではお守りのひもを結ぶ子もいたという。 講演は、2人の活動を知った赤穂中PTAの招きで実現。中央アジアの砂漠で食事や水を分けてもらったことなどを紹介した。時にけんかもしながら終えた旅を振り返り、加藤さんは「糸が僕らのことをつなげてくれたかもしれない」と話した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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