県立特別支援学校の寄宿舎に勤務する30代の男性職員が女子生徒にわいせつな行為をしたとされる問題で、県教委は24日、この職員を懲戒免職処分にした。職員は寄宿舎の指導員で、複数年度にわたって複数回、生徒の就寝後に部屋に侵入し、わいせつな行為に及んでいたという。関係者によると、男性指導員は臨時的任用で、被害者は複数いた。 一方、県教委は同日の定例会で懲戒免職処分を決める前に、「懲戒処分等の指針」を変更し、被害者側が求めた場合は処分したことも非公表とすることができるようにした。「被害者の権利と利益を保護する」との理由で、今回のケースに適用して事案の詳細な内容を公表しなかった。 従来の指針では懲戒免職は原則公表。わいせつ事件などで被害者が公表を求めない場合、名前や学校名を伏せて公表することになっていた。だが、変更により懲戒免職も非公表にできるようにした。 山口利幸県教育長は定例会後の会見で、指針変更について「被害者が特別な配慮が必要な障害者という事件の重さと、公表したことによる風評被害と二次被害を危ぶんだ」と説明。女子生徒の保護者から、事件を非公表にするよう求める上申書が提出されたことも理由とした。 県教委特別支援教育課によると、寄宿舎は通学が不便な生徒が平日を中心に利用。指導員3~4人が交代で勤務し、必ず男女を配置している。だが、処分された指導員は、他の男性指導員がいない日に男性用宿直室を抜け出し、生徒の部屋でわいせつ行為に及んでいた。同じ部屋に生徒4~5人がいるが、他の生徒は気付かなかったという。 県教委は管理監督責任を問い、この特別支援学校の現校長と前校長を減給10分の1(1カ月)とした。 県教委は再発防止のため、男性指導員が2人以上勤務して監視し合い、女性指導員が女子生徒の部屋で就寝するとした。火災時の避難のため、生徒の部屋には鍵がないが全ての部屋につけるという。 この日は他に、道交法違反(酒気帯び運転)の罪で地裁諏訪支部に在宅起訴された岡谷市川岸小学校の下平泰登(やすと)教諭(50)を懲戒免職処分とし、担任する児童の保護者の携帯電話に深夜に何度も電話し、私的なメールも送った県内小学校の男性教諭(46)を減給10分の1(2カ月)の懲戒処分とすることも決めた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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