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シカ捕殺事業を拡大へ 環境省 南アなど6ヵ所候補

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 環境省は29日、2013年度に国立公園でシカを捕殺するモデル事業の対象箇所を12年度の1カ所から3カ所に増やす方針を明らかにした。希少植物の食害や土壌の踏み荒らしなどが各地で深刻化。本格的に捕殺を進めて生態系への被害低減を図る。南アルプスなど6候補地から絞り込む。13年度政府予算案に1億7100万円を計上した。  同省によると、09年の自然公園法改正を受け、南ア(長野、山梨、静岡県)、知床(北海道)、尾瀬(福島、栃木、群馬、新潟県)、霧島錦江湾(鹿児島、宮崎県)、屋久島(鹿児島県)の5国立公園でシカの捕殺推進などを盛った生態系維持回復事業計画を策定。12年度内に策定見込みの阿寒国立公園(北海道)を含む6カ所がモデル事業の候補地となる。予算は1カ所当たり約4千万円。国立公園課は「シカ対策の基盤ができた箇所では捕獲に重点を移していきたい」としている。  12年度は世界自然遺産の知床でモデル事業を実施。餌でおびき寄せたエゾシカの群れを一斉に銃で撃つなどして約1千頭を捕殺。植生の回復状況の確認などを進めている。  南アでは、伊那市と山梨県南アルプス市を結ぶ南ア林道沿いの山梨県側で10年度から、長野県側で12年度から、同省がニホンジカの捕殺を開始。モデル事業とは別に、住民らが自然環境保全を図る「グリーンワーカー」事業として、それぞれ地元猟友会に委託している。12年度予算は両県で計約450万円。これまでに約90頭を仕留めた。今夏には高山帯での銃による捕殺も試行する計画だ。  13年度予算案では他に、各地のシカの生息数や被害状況の調査などに約5千万円を計上。北アの中部山岳国立公園で同省や長野県などの連絡協議会がシカ対策を検討中で、調査が必要となっている。(長野県、信濃毎日新聞社)

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