2012年の県内の旅館・ホテルの倒産(負債1千万円以上、法的整理)は11件で、過去最多だった前年より4件減ったものの、2年連続で都道府県別で最多だったことが30日、帝国データバンク県内支店のまとめで分かった。同社は、長年にわたる観光不況による業績不振が影響している―と分析。観光客の急激な増加が見込めない中、「今後も同水準で倒産が続く可能性が高い」とみている。
全国の倒産は、前年より20件少ない109件。都道府県別では、長野に次いで兵庫が7件、栃木6件、静岡5件などだった。
県内の負債総額は、負債66億円余で民事再生法適用を申請した横谷温泉旅館(茅野市)など大型の破綻があった前年と比べ、72・9%減の30億2200万円。志賀高原で宿泊施設と日帰り入浴施設を経営し、8月に自己破産を申請した志賀プリンスホテル(下高井郡山ノ内町)の約8億円が最大だった。
地域別では北信と中信がそれぞれ5件、東信が1件、南信はなかった。
帝国データバンクによると、12年は小規模でも事業譲渡を受けた別の会社が施設の運営を続ける事例が目立ち、現在も11件のうち5件が営業中。同社は「今後、小規模の宿泊施設でも再生事業が拡大する可能性がある」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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