県がベンチャー企業やNPO法人の設立、障害者や母子家庭の母親の雇用促進などを狙いに独自に設けている法人・個人の事業税の減税制度について、2013年度から減税額や対象を拡大する方針を固めたことが2日、分かった。同年度からの新たな5カ年計画案に盛った次世代産業の育成や多様な社会参加の促進に向け、制度の拡充が不可欠と判断。関係条例の改正案を県会2月定例会に提出する。 ベンチャーなどの中小法人(資本金1千万円以下)の創業やNPO法人の設立ではこれまで、400万円以下の所得について創業・設立から5年間、法人事業税を免除してきた。13年度からは、当初3年間は所得の全額を免除対象とし、発足直後の支援をより手厚くする。4年目は所得の3分の2、5年目は3分の1について免除する。 県外の法人などが設立主体の場合は、これまで免除期間を3年に短縮していたが、見直しに合わせ県内法人と同じ扱いとする。 障害者や母子家庭の母親らの雇用に関する減税は、対象となる雇い主の規模や雇用する労働者数の制限を撤廃。減税の限度額も10万円から30万円に引き上げる。また、新たに父子家庭の父親を雇用した企業や個人も減税対象とする。 各制度は、いずれも「創業等を行う中小法人等を応援する県税の特例に関する条例」で規定。母子家庭の母親らの雇用などは適用実績が少ないとして廃止を検討する動きもあったが、県は内容を拡充することで適用数も増えるとみて改正に踏み切る。 県によると、11年度の適用実績は中小法人・NPO法人の創業、設立に関する減税が計126件。障害者雇用が10件、母子家庭の母親が4件。 一方、同じ条例に盛られた、環境管理の国際規格ISO14001などを取得した中小法人・個人への減税措置については本年度末で廃止する。(長野県、信濃毎日新聞社)
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