中日本高速道路(名古屋市)は4日までに、中央道恵那山トンネル下り線(下伊那郡阿智村―岐阜県中津川市、8489メートル)の天井板の撤去工事を3月にも始める意向を関係自治体などに打診した。期間は約1カ月を予定。下り線を通行止めにする一方、上り線は安全面を考慮して対面通行を避け、通常通り車両を通す見通しだ。工事期間中、下り線利用者は国道19号などへ迂回(うかい)することになる。 県内から名古屋方面に向かう恵那山トンネル下り線(1975年8月開通)は、昨年12月に天井板崩落事故が発生した中央道笹子トンネルと同様、全区間で天井板がつり下げ式となっている。 同社飯田保全・サービスセンター(飯田市)は4日、飯田観光協会に天井板撤去について説明。協会側出席者によると、工事は3~4月の約1カ月で、恵那山トンネルを含む飯田山本(飯田市)―中津川インター(IC、中津川市)間の下り線を通行止めにする方法が有力という。 同社は同日までに、迂回路の国道19号が通る木曽郡南木曽町、上松町にも説明。中央道伊那ICから国道361号、飯田山本ICから国道256号をそれぞれ経由して19号に入る車両が増えることが予想され、上松町の田上正男町長は渋滞や事故を懸念しながらも「トンネルの安全を考えれば、できる限り理解するしかない。安全確保のためにしっかりとした情報を出してほしい」としている。 一方、3月を工事期間にすることに対しては、県内のスキー場運営事業者らでつくる県索道事業者協議会が4日、スキー客減少が予想されるとして延期を同社などに要請。下伊那郡阿智村は村内の昼神温泉郷などへの影響を考慮し、地元との話し合いを求める要望書を同社に提出した。 中日本高速道路広報室は「工事の日程は3~4月のほか、5月のゴールデンウイーク明けなどいくつか候補を出して調整している」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)
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