丸子修学館高校(上田市中丸子)演劇部が1月下旬に群馬県桐生市であった関東高校演劇研究大会北関東大会で最優秀賞を獲得し、10日に上田市上丸子の市丸子文化会館で同じ演目を披露した。約220人が来場し、約1時間の熱演に大きな拍手を送った。今春卒業する3年生を除く部員が8月に長崎市で開かれる全国大会へ出場する。 「地元の人たちに臨場感を持って芝居を見てほしい」とステージを使わず、ホールのほぼ中央の客席と同じ床にセットを設けた。上演したのはオリジナル作品「K」。部員24人で台本を作り上げた。ユダヤ人作家フランツ・カフカの「変身」「審判」「城」などを基に、青年の苦悩や父親との親子愛を表現。カフカの抱えていた劣等感や不安を、高校生が日常生活で抱えている気持ちと重ね合わせた。 演劇部は昨年11月に松本市であった県高校演劇合同発表会で最優秀賞となり、北関東大会への出場を決めていた。部長の3年伝田光毅(みつよし)君(18)は「3年生にとっては今回が最後の舞台だったが、悔いを残さず楽しくできた。全国大会では後輩たちに自分たちの舞台を作り上げていってもらいたい」と笑顔で話した。 会場は用意した椅子が足りず、立ち見が出るほどのにぎわい。上田市上丸子の自営業斉藤ゆり子さん(52)は「高校生の若さや力強さが、せりふやしぐさからにじみ出ていた」と評価していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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