下伊那郡阿南町富草小学校の5年生の有志5人が16日、同町富草地区の年に一度の文化イベント「富草芸能文化祭」で初めて落語を披露した。6年生の有志7人は大人に交じって演劇公演に参加。住民の高齢化に伴い、文化祭に出演する住民が減る中で、子どもたちは一生懸命に演じた。 文化祭の会場は同小体育館。5年生5人は1人ずつ高座に上がると、話の最後に笑いどころがある小話を2~4話ずつ披露した。 「喜村亭悟楽(きむらていごらく)」の名で出演した木村悟君(11)の小話は「医者」がテーマ。甘い物好きの患者が食事制限の期間を尋ねる場面がポイント。医者が「当分(糖分)」と答えると、会場から笑い声が上がった。 児童たちは1月から週2回、飯田市の落語教室「土曜笑(しょう)学校」の講師から稽古を受けて準備してきた。 6年生7人は、同市を拠点に活動する市民劇団「演劇宿」と共にステージに立ち、人間になりたいかっぱを描いた「かっぱのめだま」を演じた。6年の村山涼華(すずか)さん(12)は「出演したことで緊張しやすい性格を直せたと思う」。 主催した町富草公民館の竹村義房館長(66)は「子どもが出演すると保護者も来てくれる。それによって地域のつながりが生まれてくる」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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