JR東海が4月から無人化する県内の飯田線9駅のうち、伊那北、沢渡(さわんど)両駅がある伊那市は16日、地域の中核となっている伊那市駅を含めて利用や活用策を考えるワークショップ(参加型講習会)を始めた。駅を利用する高校生や近隣地区の役員、商工関係者ら30人が参加。回数や期限は定めずに今後も開き、市は出た意見を基に対応を練る。 白鳥孝市長はこれまで、市が費用負担して駅員を配置することには否定的な考えを示している。この日は冒頭、「駅員を残すかどうかより、もっと広くまちづくりを考えるべきだと方向を見いだした。その中で飯田線の在り方を考えてほしい」とあいさつした。 参加者は7班に分かれ、「これからの駅やまちはどうなったらいい?」とのテーマで意見交換。「高校生が毎日立ち寄る場を備えた駅にしたい」「まずは(駅を)使っている人、住んでいる人が楽しめる駅やまちにしたい」といった声が上がり、「(移動経路として)場所をつなぐ駅から、人をつなぐ駅に変えていこう」との主張も出た。 沢渡が最寄り駅の伊那西高校の生徒会長で、2年生の平林桃子さん(17)は「普段あまり話さないいろいろな人と駅について話せた」。全体の進行役で、静岡県伊豆市で伊豆箱根鉄道修善寺駅の利活用を考えるワークショップを開いているNPO法人の水口航(わたる)理事(伊那市出身)は「いろいろな視点があると気付いてくれたと思う。ここから、何をするか話していけるといい」と語った。(長野県、信濃毎日新聞社)
↧