朱色の炎が春の訪れを告げる―。わらで作った守り神「湯屋守様(ゆやもりさま)」に火を放つ行事「御焚(おた)き上げ」が2日夜、下伊那郡阿智村昼神温泉郷で行われた。温泉郷の新たな催しとして始まって6回目。恒例行事として定着してきた。 冬の間、旅館の前などに据えられていた湯屋守様14体が温泉郷の広場に集められた。大きなものは高さが約3メートル。午後8時すぎからの神事に続いて次々と火が付けられた。星空の下、炎が、集まった観光客ら約300人を照らし、花火も打ち上げられた。 春以降の集客を見通すと、温泉郷西方にある中央道恵那山トンネル下り線で、大型連休明け以降にも天井板撤去工事に伴う通行止めが見込まれ、温泉郷への影響も心配される。この日の行事の実行委員長、今井竜也(たつなり)さん(59)は「対策はこれから考えるが、みんなで協力して乗り越えたい」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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