新たな移住者を増やすため北安曇郡小谷村は来年度から、出産や就労、消防団加入などのたびにポイントを加算し、たまったポイントを住宅の新築や改修、農地取得など特定分野に使える交付金制度を設ける。空き家改修費の助成や出産祝い金などの定住促進事業は多いが、県によると、ポイント制による支援策は例がないとみられる。 過去10年間、村に転入していない人が対象。1ポイントを1万円分とし、移住時点で5ポイントを交付するほか、消防団加入で10ポイント、世帯主が39歳以下で配偶者がいる場合、新規就農でそれぞれ50ポイント、12歳以下の子どもと居住(移住後の出産を含む)、村内での起業でそれぞれ100ポイントと設定する。移住後3年間をポイントをためられる期間とする。 たまったポイントは獲得後1年間有効。換金ではなく、住宅の新築・改修、農地取得、乗用車や除雪機の購入など、村が決めた9項目の出費に対し、庁内審査の上、必要経費の3分の2を上限200万円で支給する。5年以内に村外に転居した場合は、居住した期間に応じて支給分を2割から全額の範囲で、返金してもらう。 人口3200人余の同村は2010年国勢調査で5年前に比べ、人口が17・8%減少。集落機能の維持や祭りの担い手不足も深刻になっているため、現金給付でなく定住を促しやすいポイント制を考案したという。松本久志村長は「税金を使う以上、運用は丁寧にやっていく。人口や子どもが増え、村に活気が戻ることに期待している」と話している。(長野県、信濃毎日新聞社)
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