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給食のアレルギー対応ばらつき 県内19市 一部で提供できず 

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 食物アレルギーのある児童生徒向けに調理した給食について、須坂市は全小中学校で、長野、上田、佐久3市は多くの小中学校で提供していないことが5日、県内19市への取材で分かった。食物アレルギーは死に至る場合もあるが、これらの市は調理施設が狭く、アレルギーの原因食品を除いた料理を別に作るのが難しいとする。他の市にも汁物などは配慮できないとするところがあり、食物アレルギーのある子どもは自宅からおかずを持参するなど、個々の対応を迫られている。  食物アレルギーのある人は、小麦やソバ、卵といった特定の食品を食べると発疹、呼吸困難などの症状が出る。昨年12月には都内の小学校で、乳製品にアレルギーがある児童が給食でチーズ入りのチヂミを食べ、死亡する事故が起きた。  県内でも多くの市は、食物アレルギーのある子ども向けに献立の料理から原因食品を取り除いた「除去食」や、特別に調理した「代替食」を提供している。食材の混入を防ぐため、松本市は全4カ所の給食センターに専用室を設置。安曇野市は全4カ所のセンターに担当の栄養士と調理員を計8人配置し、年約1200万円の人件費をかけている。  これに対し、須坂市内の小中学校計15校に1日約5千食を届けている同市学校給食センターはこうした対応をしていない。専用室、専用スペースを確保できないためといい、栄養士は「(除去食などの)要望もあるので何とかしたいが、今は難しい」と話す。  同センターによると、食物アレルギーがある同市の児童生徒は約220人。現在は保護者が事前に献立表を見て、原因食品が含まれる給食が出る日は自宅から代わりのおかずを持参するなどしている。  長野市のうち、豊野、信州新町、中条など合併町村地区を除く旧市域の学校に給食を提供している三つの給食センターも、食物アレルギーには未対応だ。第1、第3給食センターは老朽化して専用スペースが確保できず、2003年完成の第2センターには専用室があるが、市教委は「旧市域で足並みをそろえたい」として使っていない。  また、上田市は全36校のうち21校、佐久市は全23校のうち11校に食物アレルギーに対応した給食を提供していない。いずれも専用の調理スペースを確保できないことが理由だ。除去食などを提供している市でも、飯田市は原則として代替食を提供しておらず、千曲市の一部施設はスープなど汁物については代替食を提供していない。  県教委によると、昨年5月時点で、県内の公立学校で食物アレルギーがある小学生は5626人(4・8%)、中学生は2922人(4・8%)。公立の小中学校、特別支援学校、定時制高校の給食でアレルギーに対応していたのは80・7%(2011年10月時点)だった。  佐久市の30代の主婦の長男には卵のアレルギーがある。現在小学6年で症状は収まってきたというが、「以前は弁当を持っていくので大変だった」。かつては他の親と一緒に市に対応を求めたこともあり、「子どもにとって友達と同じように給食を食べられることは大切」と話している。  県教委保健厚生課は、学校給食での食物アレルギー対応について「新たに給食の施設を整備する時には、アレルギー対策をしてもらうよう市町村に助言している」と話している。(長野県、信濃毎日新聞社)


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