茅野市のJR茅野駅周辺などにある公共施設や飲食店、映画館を活動拠点「部室」として使い、創作活動に取り組んでいる有志らが23、24の両日、茅野市民館で活動成果を発表する。同館内にある市美術館の主催。原動機付き三輪車を作ったり、縄文時代の食事を再現したりと、14の団体がそれぞれ独自の「部活動」を展開中で、当日は創作の実演や展示を計画している。 市美術館は、アートに関わる活動を通じて人々の交流を促し、地域を活性化しようと、昨年秋、市民館付近一帯での「部室」づくりを市民らに呼び掛けた。市内外から20~60代の男女14人が「部長」として名乗りを上げ、順次、活動を開始。活動の様子を見た人や口コミで知った人たちが「入部」し、現在は計約80人が「部員」としてそれぞれ活動している。 14の部活動は、どれも個性的だ。市民館の中に掘りごたつを置き、利用者らが自由に立ち寄れる場所を提供するのが「寄(よ)り部」。他に、部長が作った縦横約1・5メートルの立方体を公共の場所に置き、通る人に絵や言葉を書いてもらっている「Q部(キューブ)」、諏訪地方特産の角寒天を素材に工芸品を作る「かんてん創作部」もある。 市美術館は当初、3月末までの予定で始め、今回の成果発表は集大成の位置付け。「部室をつくろう!博覧会」と題し、市民館のほぼ全館を使う大掛かりな催しにする。 市民館前に設けた特設テントで、原動機付き三輪車を手作りしている「家内工業部」は、製作現場をテントごと同館マルチホールに展示する。部長で市美術館長の辻野隆之さん(57)=茅野市豊平=は「ものづくりに関わる楽しさをたくさんの人に感じてほしい」と話していた。 博覧会では縄文食の試食や16ミリフィルムの映画上映、フリーマーケットなどもある。23日は午前10時~午後9時、24日は午前10時~午後5時。入場無料。問い合わせは市美術館(電話0266・82・8222)へ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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