原村の女性有志でつくる「原村子どもの本・9の会」が16日、絵本や童話を通じて平和を伝える「おはなし会」を村中央公民館で開いた。代表の本多淳子さん(79)ら会員4人が絵本を読み聞かせ、安曇野ちひろ美術館(松川村)常任顧問の松本猛さん(61)=安曇野市=が「絵本からのメッセージ」を題に講演。村内外の女性や子どもら約40人が聞いた。 会員の一人は、松本さんと三女の春野さん(29)が共作した絵本「ふくしまからきた子」を読み聞かせた。原発事故後に福島県から広島市に避難した少女と、少女を思いやる少年のやりとりを心を込めて伝えた。地元の方言で憲法9条の条文を軽妙に読み上げる語りもあり、会場が沸いた。 松本さんは絵本の魅力を「その世界に入り込み、想像力を自由に広げていける」と話した。絵本を作るため、2011年と12年に福島県飯舘村を取材に訪れたときの様子も紹介。屋外で遊べず、子どものストレスがたまっている問題に触れ、「人間は自然の一部。自然と共に生きるべきだと、絵本を通じて伝えていきたい」と話した。 茅野市の主婦品川美好(みよし)さん(61)は「平和の大切さを言葉で表すのは難しいが、絵本を使って子や孫に伝えていけたらいい」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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