巣立ちの春 桜も育って　卒業控えた須坂の中学生ら植樹

　須坂市井上町の中学３年生８人が１７日、地元の里山にヤエザクラの苗を植えた。井上町の住民有志約１４０人でつくる「井上城址（じょうし）さくらの会」が毎年３月、郷土に愛着を持ってもらおうと、卒業を控えた市立墨坂中学校の３年生を対象に企画。ことしで２５回目になる。これまで里山に植えられたヤエザクラは約１３００本に上り、地元では桜の名所として親しまれている。 　桜は、同会が個人から借りている約６ヘクタールの敷地に植えられている。生徒たちは、急な斜面で足場の悪さに苦労しながらも、同会の会員の助けを受けて作業。シャベルやスコップで穴を掘って苗を植えると、１人１本ずつ自分の名前を書いた木札を付けた。宮下慶子さん（１５）は「春にこの山の近くを通ると、いつもきれいだと感じていた。きょう植えた木も元気に育ってほしい」と話していた。 　同会の坂本康之会長（７９）は「大人になってこの町を離れても、たまには『あの桜を見に帰ってみよう』と思ってもらえればうれしい」と期待していた。（長野県、信濃毎日新聞社）