東御市和(かのう)小学校で標本用の棚に飾られていた鳥の剥製が市教委により国特別天然記念物のトキと確認され、関係者が驚いている。いつ、どんな経緯で展示されるようになったかは不明。平林裕一校長は「驚いている。学校に来た経緯が分かれば記録し、大切に展示したい」と話す。市教委が情報を募っている。 剥製は片方の羽を広げた立ち姿で高さ60センチほど。頭部に赤い色が残る。羽根のとき色(淡いピンク色)はあせて確認できず、白い毛はほこりで黒っぽく汚れている。同校によると、児童や教員の目に触れる理科室前の廊下の棚に飾られていたものの、近年は話題になることはなかった。 2011年春、同校を訪れた市教委教育課職員が目に留め、「トキの剥製に違いない」。よく見ると、台木にトキと記した紙も貼ってあった。同課がことし2月、県環境保全研究所(長野市)に剥製を持ち込み、あらためてトキと確認された。現在、同研究所に調査や修復の方法を相談している。 二十数年前まで数年間、同校に勤務した元教員大井篤さん(75)=上田市浦野=は「トキの剥製を見た記憶はあるが、いつ誰が持ってきたか、聞いたことはない」と話す。 トキの剥製は、県内では大町、松本、佐久の各市などにもあるが、東御市教委教育課は「そう多くはないはず」とする。同校の剥製についての情報提供は同課(電話0268・64・5879)へ。(長野県、信濃毎日新聞社)
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