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野尻湖発掘 新展開も 22日から地質調査

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 昨年10月に従来の発掘調査場所とは異なる地点で初めてナウマンゾウの化石が見つかった上水内郡信濃町の野尻湖で22日、野尻湖発掘調査団(団長・赤羽貞幸信大副学長)による湖底の地質調査が始まる。新たに化石が見つかった地点の状況や地層の年代によっては、化石の分布範囲が想定より大幅に広がる可能性がある。同調査団は「今後の発掘の方向性を左右する重要な調査」と位置付けている。  今回調査するのは、これまで集中的に化石などが見つかっている「立が鼻遺跡」から約800メートル南の湖岸近くの湖底=地図。同調査団の地質、人類考古両グループによる地質調査で、水位が下がって露出した湖底からナウマンゾウの臼歯の一部や臼歯を構成する板状の「ラメラ」が複数見つかった。  同調査団は、この発見でナウマンゾウなどの化石を含む地層が広範囲に広がる可能性が高くなった―と推測。見つかった化石がどのような年代の地層に埋まっていたのか、堆積した環境や状況はどうだったのか―などを調べるため、大規模な地質調査を行うことにした。  野尻湖では1962(昭和37)年に発掘調査が始まり、立が鼻遺跡で昨年まで計19回の発掘を実施。近年は同遺跡が後期旧石器時代に一帯に暮らしていた「野尻湖人」によるナウマンゾウなどの狩猟解体場(キルサイト)だった、との仮説を裏付ける証拠の発見を目指している。  調査は24日まで。20、21日に詳細な調査地点を決める。同調査団が事務局を置く野尻湖ナウマンゾウ博物館(信濃町)の近藤洋一学芸員は「50年以上続く発掘調査を根底から見直す必要が生じるかもしれない」と説明。来年3月には第20回野尻湖発掘を計画しており、「今回の調査で発掘の方向性を見通したい」としている。(長野県、信濃毎日新聞社)


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