日本海の寒冷前線に向かって暖かく湿った南風が吹き込んだ１８日、県内は全域で強い風が吹いた。長野市などで少なくとも５人がけがをした他、各地で看板が落ちたり、屋根が吹き飛んだりした。風速が規制値を超えて列車の遅れが相次いだ他、広範囲で停電した。午後７時までの最大瞬間風速は、伊那２４・１メートル、信濃町と松本２２・６メートル、飯山２２・４メートル、辰野２１・５メートル、長野、諏訪２１・０メートルなどだった。
安曇野市穂高柏原で午前８時半ごろ、７０代女性が強風にあおられて転倒し、頭に軽いけが。須坂市墨坂南１では同１０時５０分ごろ、７０代女性の背中に風で飛ばされてきた物が当たり、病院に運ばれた。当たった物は不明。長野市消防局によると、同１１時５０分ごろ、同市風間の男性（７８）が自宅の庭で転倒。同市柳原の男性（７１）は、自宅の庭で倒れてきたはしごが頭にぶつかってけがをした。午後０時半ごろには、同市川中島町今里の男性（７０）が物置の屋根に置こうとしたブロックが頭にぶつかった。５人はいずれも命に別条はなかった。
一方、同市桐原のホームセンターでは午後２時すぎ、２本の支柱で支えられた大型の看板が駐車場に落下。同市緑町でも同じころ、３階建てビルの屋上から繊維強化プラスチック製の観音像（高さ３メートル余り）が落ちた。
諏訪市四賀飯島では午後１時５０分ごろ、住宅のトタン屋根が約１００メートルほど飛ばされた他、木片などが飛び散って少なくとも民家３軒で窓ガラスが割れた。千曲市の千曲署では屋根に固定されていた鉄骨製の板（長さ３メートル、幅６６センチ）がはがれて駐車場に落下。塩尻市長畝では市道のり面の木が倒れ、走行中の車に当たってフロントガラスが割れた。これらの被害でいずれもけが人はなかった。
また、ＪＲ東日本長野支社によると、正午前に諏訪郡富士見町の中央東線富士見―信濃境間の風速計が規制値（秒速２５メートル）に達し、富士見―小淵沢間で運転を見合わせて上下の特急６本が運休、普通列車４本が部分運休。飯山線では正午すぎに中野市の上今井―立ケ花間で倒木があり、上下２本が最大約５０分遅れた。
中部電力長野支店（長野市）によると、午後３時すぎに東筑摩郡生坂村で倒木が高圧線に触れ、安曇野市、大町市などで計約１１００戸が一時停電。同６時半ごろには、長野市篠ノ井などの市南西部や千曲市桑原などで計約２１００戸が最大５時間近く停電した。（長野県、信濃毎日新聞社）
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強風けが 県内５人に 倒木で停電 列車に遅れも
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