上水内郡信濃町の野尻湖で20日、昨年10月にナウマンゾウの化石が見つかった湖底で行う本格的な地質調査を前に準備が始まった。野尻湖発掘調査団(団長・赤羽貞幸信州大副学長)が、調査場所を決める測量をし、資材を運び込んだ。作業中に新しくナウマンゾウの臼歯の化石が見つかった。 信大の学生を含めた約20人が参加。昨年10月にナウマンゾウの臼歯の化石が見つかった地点を中心に、調査する範囲を測量して決め、表土を削った。準備作業をしながら湖底に落ちていたり埋まっていたりする化石を探し、ナウマンゾウの臼歯と、臼歯を構成する板状の「ラメラ」が見つかった。 調査地点は、1962(昭和37)年から発掘調査を続けてきた「立が鼻遺跡」の南側約800メートルの地点。化石の分布範囲が想定より大幅に広がる可能性があるため、今後の発掘の方向性を決めるための重要な調査になる。 調査は22~24日。調査の運営係長で元教員の花岡邦明さん(62)=長野市=は「掘ってみないと分からないが、期待は高まってきている」と話していた。(長野県、信濃毎日新聞社)
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