むきだしのコンクリートの骨組みや鉄筋、ガラスのない窓枠―。東日本大震災で被災した宮城県東松島市の鳴瀬第二中学校を22日、諏訪市の小中学生が訪れ、津波の爪痕が残る校舎を無言で見つめた。 震災の恐ろしさや支え合いの大切さを身をもって感じてほしい―と、諏訪市や市校長会が防災研修事業として初めて企画。市内の全11小中学校から26人の児童、生徒が派遣団として被災地を訪れた。 目の前に海が広がる鳴瀬第二中学校の2階窓ガラスに残る津波の跡に、驚きの声が漏れる。「ここで起きたことを覚えておいて、いつか災害で苦しむ人を助けてあげて」。約400世帯が暮らす東松島市内の仮設住宅では、自治会長の小野竹一さん(65)の呼び掛けに子どもたちが大きくうなずいた。「きょう感じた津波の怖さや防災の重要さを、海のない信州に伝えたい」と、派遣団代表で諏訪西中学校2年の小泉晃大(こうだい)君。 派遣団は同日から3日間、被災地を回り、現地の小中学生と交流するほか、多数の児童が亡くなった石巻市の大川小学校の訪問も予定。見聞きしたことや感じたことは母校に戻って仲間に伝える。 22日は飯田下伊那地方の高校生も被災地の岩手県山田町を訪問した。(長野県、信濃毎日新聞社)
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